ショコラ

2010/02/10

ステファン・トレアンのピエスモンテセミナー

一度みたいと思ってたんですよ、ピエスモンテを作るところ。

ピエスモンテ(piece montee)はチョコレートで作ったオブジェです。

サロンドゥショコラの会場も様々なチョコのオブジェで飾られていました。


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こんなのとか。




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こんなのとか。




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こんなのとか。





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ステファン氏は既にテンパリングしたチョコレートも携えて登場。

挨拶もそこそこに作業開始。
パーツを作り始めます。



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透明プラスチック板(フレキシグラス)の上に透明プラスチックシート(ギターシート)を敷いて、その上にチョコレートを薄く延ばします。
少し堅くなるよう冷蔵庫へ。




球を作る為に型にチョコを流して半球を作ります。
一度型にいっぱいにチョコを入れて、少し球の外周のチョコが固まったころに逆さまにして半休中央部の不要なチョコを出してしまいます。
これも固めるかめに冷蔵庫へ。



作業をする部屋の室温は22℃くらいが良いそうです。
室温が高いとチョコが固まらず、室温が低いとチョコが固まって、どちらにしても上手く作業できないそうです。



土台はしっかりと。
チョコレートとチョコレートを接着。もちろんチョコレートで接着します。

ベースは大きいものと小さいもの。
小さいものを下に、大きいものを上にすると良いそうです。





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フレキシグラスの薄いチョコが少し固まってきたらカッターナイフでパーツを切り抜きます。

蝶の羽や花など。
フリーハンドでどんどん切り抜いていきます。



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シンメトリーに作らないほうがニュアンスが出て良いそうです。

因みにホワイトチョコを薄く延ばしてパーツをつくる場合は脆いので厚めに作るそうです。




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円盤状のクーベルチュールを少量、フードプロセッサーにかけます。


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1分ほどで粘土状のボールに纏まります。
これを手で延ばして花の茎を作ります。


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延ばしたり、切り取ったり、流したり。
様々な方法でパーツを作ります。




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そして、パーツの土台の上で組み立てていきます。
もちろん、接着はチョコで。先の細いコロネで搾りだして溶接のように付けていきます。



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瞬間的に接着するには冷却スプレーで冷やして付けてしまいます。

冷蔵庫から半球型のパーツを出して2つ張り合わせてボールを作ります。
アツく熱した鉄板で断面をちょっと溶かして半球同士を接着します。








バランスを見ながらどんどん組み立てていきます。
花の茎の部分にパーツを付けるときに他の部分も上手く接着。
より堅牢に組み立てます。




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組み上がったら粉状のチョコレート(ピストレ)をはたいて陰影や凹凸を出したら出来上がり。



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なんとなく自分でも出来るような気分になっちゃうもんです。





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こんな風に作るところを見ると会場内のピエスモンテが急に気になります。





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チョコと思えない質感。



ここまでのものは無理としても小さい花なら作れそう。

とても楽しいピエスモンテセミナーでした。



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2010/02/02

クリスティーヌ・フェルベールさんのセミナー 夜の女王のデセール

サロン ドゥ ショコラ、終わっちゃいましたね。
アッと言う間の1週間でした。

サロンでは様々なセミナーが開かれています。

この日はクリスティーヌフェルベールさんのセミナー、夜の女王のデセールに参加しました。

オペラ『魔笛』より、『夜の女王のアリア(自動車のCMでお馴染みですね)』からイメージしたというデザート。どんなものになるのか興味津々です。

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作るのは50人分。
裏方として、クリスティーヌの弟ブルーノさんとその奥方アンヌ・カトリーヌさん。主役は二人の娘で5歳のサロメちゃんとクリスティーヌです。

まず、子供も作れるプチガトーの実演です。

まずはサロメちゃんがプチガトーサブレをクリスティーヌと一緒に作ります。

材料は
バター250g
バニラビーンズ1本
粉糖80g
薄力粉300g

ポマード状のバターにバニラビーンズを入れて。
更に粉糖を入れて混ぜ、更に薄力粉を入れて混ぜます。

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サロメちゃんがクリスティーヌと一緒に作業。

クリスティーヌはコロネで、サロメちゃんはスプーンで、シートを敷いた鉄板の上に等間隔で置いて行きます。

スプーンに残った生地をサロメちゃんがペロッと。
可愛いハプニング。

一緒に作業しながら、生地を残さない、材料をムダにしないことを子供に教えましょう。クリスティーヌからの提案です。

170℃のオーブンで8〜10分焼成します。

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ここでボンボンの試食。

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ローズの香りとフランボワーズのジュレが入ったキャラメルショコラのボンボン。
サロメちゃんが参加者にサービスしてくれました。

フランボワーズのジュレ ローズ風味を作り始めます。

材料は
フランボワーズの果実200g
グラニュー糖100g
水100g
板ゼラチン20g

フレッシュフランボワーズの果肉、水、グラニュー糖に湯煎で溶かした板ゼラチンを加え最後にローズのアルコールを数滴。ステンレスのバットに流して半日ほど冷やして固める。

コツはフランボワーズや水を冷たくしないこと。
簡単なレシピも丁寧に教えてくれます。


フランボワーズクリームを作ります。

材料は
生クリーム(脂肪分35%)700g
粉糖50g
フランボワ−ズ果肉200g

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生クリームに粉糖とフレッシュなフランボワーズ合わせてホイッパーでツノが立つまでしっかりホイップ。

これで全てのパーツが完成したよう。

お皿に盛りつけます。

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こんな感じ。

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ホントはフランボワーズクリームの中にサブレを入れる予定だったようですが....。

どっちがクリスティーヌのサブレでどっちがサロメちゃんのサブレかは内緒です(笑)。

ジュレはもちろん、フワンボワーズクリームの果実の瑞々しさ。はじけるようなフレッシュ感がステキ。

でもなー、新鮮なフランボワーズは入手が難しいし....。

と、思ったら、参加者の方から「フランボワーズの代用は何が良いか?」と質問が。

クリスティーヌから「確かに日本のフランボワーズはアルザスのフランボワーズより乾いた感じ。ただ味わいはとても良いので今回のようにジュレにするには向いている。」と。
また「フレッシュなフランボワーズが入手できない時は冷凍ピューレを使っては」と、提案。

通訳の方が「ブルーベリーなら入手しやすいが」とふったら、「その場合は今日のようなローズは合わないので甘草が良い」と。

また、「桑の実を使うのも良いが、必ず栽培した物か自生してる物を使う事。市販品には風味や香りが無い」と。フェルベールさんは栽培してるそうです。

この日使ったローズのアルコールについても質問が。
フェルベールさんによると「酒類でもエッセンスでも無い、まさにローズのアルコールです」と。

最後に現洋菓子協会会長で調布のパティスリースリジェの原氏を紹介。
最初にフェルベールさんを日本に招聘したのは原氏。10年前のことだそうです。

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楽しいイベントはアッという間に終了。

しかし、コンフィチュールにも感じますがフェルベールさんのお菓子の瑞々しさはスゴイ。
以前に参加させて頂いたセミナーで「果物の命を延命させる」とおっしゃっていましたが、ホントに果物の生命力みたいなものを感じます。

やはり、フェルベールさんには不思議な力があるような気がします。

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2010/01/30

サロン ドゥ ショコラ 2010

遅ればせながら サロン ドゥ ショコラ です。
もちろん今年も初日の開店前から行列に並んでいました。
(前日に催事場に入れるチケットが届いていたことに気付かずに)


もちろん仕事をサボって。


会社を抜け出すあたりからツイッターでつぶやいておりました。



出社なう。9時まで仕事して、皆さんが出て来たら素知らぬ顔で新宿伊勢丹サロンドゥショコラへ向かう。この黒い計画が成功するかは私の演技力次第。フフフ。

気が焦ったのか階段を踏み外す。



鼻血も出た。



笑 RT @sakehitosuji @bleu_et_rouge まだチョコレート食べてないのに


sakehitosujiさんに突っ込まれているのがイタいです。




一番目ざとくておしゃべりなK氏が入口付近にいて20分ロス。泣きながら新宿に移動中。







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開店5分前に新宿伊勢丹に到着したときにはどの入口にも100名弱の列が出来ていました。


なんと‼ 前日にサロンに入場できるチケットが届いていたことに今気づく。失態。


伊勢丹。どの入口も100人いる。 http://moby.to/rhf1i1



やがて開店。


列の先頭のほうにお食事番長がいましたが、エレベータ待ち。
階段を駆け上がったワタシの方が先に6階につきました。



ベルナシオンの列は六階から三階へ。


やはり、ベルナシオンは人気ですね。
11時には列が催事場のある6階から2階に延びました。




新出店のショコラティエも列が長くなります。





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ジャックジュナン。
http://moby.to/kd8jmq

11時には売り切れる商品もあったりします。




催事場はカオス。購買力のある女子たちが六階から溢れる。サロンドゥショコラ。



しかし、心配無用。
毎朝、商品は補充されるのです。
ゆっくり楽しみたければ人気商品が売れたあと、午後に行くと良いです。






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このイベントのスター、フェルベールさんとエヴァン氏。



催事場パニック。報道多すぎ。



報道も加熱。各局勢揃い。
「尺が足りない」とか言いながら各局カメラを回すので逃げるのが大変。
仕事サボってるのバレちゃうじゃないですか。


TBSが笑っちゃうくらいフットワークが良かったです。





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フジテレビはTBSの後手でした。





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NHKはじっくりです。

ドバイからの出店を取材しています。


らくだ乳を使ったミルクチョコレート。




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らくだ乳の粉末は余韻が長く、印象に残る味でした。


会社に戻ります。自然に戻れるかは演技力と運次第。


日本ではショコラが高価過ぎるとか、パリの本店に行くとシャンパンのサービスがあるとか、いろいろご不満がある方も多いようですが....。

折角、フランスや欧州が来てくれたのですから楽しみましょう。

「欧州での人とショコラの関係と日本は違う」なんて欧州ツウぶって急にそっぽ向いたりして。黄色い肌して欧州人ぶっても仕方ないです。

そもそもチョコレートは関税が高し、高品質な産地のカカオはあるメーカーが独占しているし。なかなか難しい商品です。(関税率を検索してみると面白いですよ)


純米酒や自然派ワインが好きならサロンドゥショコラに参加するべき。
他で得られないテロワールがあるから。






ワタシがショコラが好きなのは良質のショコラにテロワールを感じるから。

スル デル ラゴ。チュアオ。サオトメ。等々。

それぞれ香りや味わいが異なっているのが面白いのです。

是非、試してみて下さい。




サロンドゥショコラは2月1日まで開催です。

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2009/12/19

参加受付け始まる  チョコレートの祭典 Salon du Chocolat 新宿伊勢丹

1月27日から2月1日まで新宿伊勢丹で開催される サロン ドゥ ショコラ 。


トークショー 及び デモンストレーションの受付けが開始されました。

各回先着50名。

伊勢丹のウェブショップから先着順です。



ワタシですか?

仕事がありますからね。

なかなか難しい。


土曜日は Vini Japon だし。

でも、今まで話しを聞いたことがない方のは参加したい。

仕事を早く上がって17時からの回に行くか、日曜日に集中するか....。

そんなこと書きながら幾つかのデモンストレーションに申し込んでしまいました。


熱い1週間がまたやってきますね。







サロン ドゥ ショコラ

http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjuku/event/chocola/index.jsp

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2009/04/10

本金 純米酒 と 本金ショコラ

諏訪の酒ぬのや本金酒造から酒が届きました。

純米酒が出来たら瓶詰めして送ってと頼んでいたんです。




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さっそく呑んじゃいます。




本金さんを訪れたのは3月。

まだ1ヶ月なんですけど、随分前のことのようにも感じます。

(参照:2009/03/17 勝手に 上諏訪街道 春の呑みあるき





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そのときに本金さんで入手した日本酒ショコラと一緒に楽しんでみました。




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この日本酒ショコラは本金の酒が使われています。

ガナッシュに本金の酒を練り込んでいるのです。



外がけには塩が盛ってあります。

甘みと塩分が絶妙。旨味を補完しあっています。



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味はミルクとビターの2種類。

3個づつ入った6個入りのアソートになっています。





このblogのショコラカテゴリーを見て頂くとワタシがどれだけチョコ好きということがわかって頂けるかと思いますが、そんなワタシにしてもこのショコラは大変おいしいものでした。

ホントにちょっとビックリしましたよ。





作ったのは松本在住のショコラティエ中沢さん。

いつもの gelee blanche で何度かイベントに参加させて頂いているあの中沢さんです。

(参照:2007/02/14 ショコラの会 ジュレ・ブランシュ 松本

(参照:2008/12/09 黒ビールとショコラの会!? ジュレブランシュ 松本


長野県内の『おいしい人』はどこかで必ず繋がっています。






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本金の純米酒は諏訪の酒と思えないほど酸と旨味が強い酒。

甘みもかなり強いと思いますが、この強い酸のおかげで辛口に感じます。

なによりボディの厚みがこれまでの諏訪の酒にはないものです。


異端。

もうハッキリとそう言って良いと思います。

ただ水は諏訪の水なので、ストライクゾーンの中にはちゃんと収まっている感じです。



このボンボンをツマミながら本金の純米酒を呑んでみようとお食事番長。

それ面白いんじゃない.....なんてショコラと合わせてみたら....。

正直、イマイチ。

なんというか酸が邪魔、というか酒が若い。




実際、ワインでもショコラに合うワインは酸が無いものです。

これは仕方ない。


それにショコラと酒なんて合わせる必要ありません。
ショコラはショコラとして美味しければそれで良いんですから。

塩辛なら絶対に死ぬほど旨いはずなんですけどね。




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でも、納得しない番長は本醸造の『樋の口』でショコラを試します。

するとこちらは絶妙。甘美なマリアージュ。

少しやんわりとした諏訪の酒は笑っちゃうくらい良く合います。




『なんだか本金の酒は甘辛く煮た山の味覚に合いそうだなー』なんて、そんなこと考えながら夜遅くまで呑んでしまったワタシなのでした。


木曽からは湯川。上諏訪からは本金。

長野県内のあちらやこちらから若く優秀な造り手が生まれ始めています。






酒ぬのや 本金酒造  http://www.honkin.net/




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2009/02/13

ルルー氏のスペシャリテ Truffe de Truffe 備忘ログ #4

多忙につき、備忘ログ #4。

記憶の断片だけでも記録しておこう。



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ルルー氏のTruffe de Truffe。






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パッケージを開けると球体のショコラが1個。



この球体を割ると....




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中にトリュフの入ったトリュフが5個。

このトリュフにはたっぷりと天然の黒トリュフが入っている。







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カカオとトリュフは完璧なマリアージュ。

香りや味は渾然一体となっている。


もしも、トリュフの香りを感じなくても話しを合わせる必要はない。

なぜなら天然トリュフの香りは失われるのがとても速い。

実際、10日は持たないはず。(長期間香るなら天然ではないとも言える)


それ故に、マリアージュとしては完璧。

なにか1つの香りだけが主張することは無く、ガチで溶け合っている。



それでもトリュフに馴れてる人ならばその風味に仰け反るかも。


農産物としての風味がしっかり感じられる。

お食事番長は上を向いてムフムフ言って堪能。




球体ショコラのパリパリ感に感動。

完璧なテンパリング。



トリュフの滑らかさと黒トリュフのツブツブ感。

外の球体ショコラのパリパリ感。

5粒で5000円と高価なトリュフだが食感もいろいろ楽しめるので意外とお得だったかも。

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2009/02/11

老舗の味 ベルナシオンのPalets d'or 備忘ログ #3

多忙につき、備忘ログ #3。

記憶の断片だけでも記録しておこう。



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Bernachonのパレドール。

初めて食した日からすっかり心を奪われている。


(参照:2007/01/30 フィリップ・ベルナシオン氏のセミナー 前編

(参照:2007/02/03 フィリップ・ベルナシオン氏のセミナー 後編



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パッケージを開けると幾重にも折った紙がクッションになっている。
そんな素朴な老舗の味は何度食しても美味しい。




カカオを自家焙煎するからこその優しい酸味とほんのりした苦み。


クーベルチュールから作ったらこんなオリジナルな味にはならない。

ポストハーベストの心配は多少なりともあると思うが、それでもこの味にはかえられない。



外がけはパリっと。中はホワホワ。


他のショコラティエも類似の商品を作っているがオリジナルには及ばない。

作れそうで作れないのが老舗の老舗たる所以だと思う。


250gで7500円は正直少し高い。
伊勢丹、やり過ぎ。

でも、年に1度の贅沢と納得させられてしまう味。
売り場にあれば素通りは難しい。

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2009/02/10

クリスティーヌ フェルベール 6個入りアソート 備忘ログ #2

多忙につき、備忘ログ #2。

記憶の断片だけでも記録しておこう。

クリスティーヌ フェルベール 6個入りアソート。




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外箱にはフェルベールさんにサインをお食事番長の名前入りで頂いた。




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Fleur de menthe
ミントは極々少量。優しい香り。
言われなければミントと気づかず、何か青いハーブの香りはあるという位にしか感じないかも。
ハーブ由来の苦みが少し。
クーベルチュールの爽やかな苦みと酸味が主役のミントガナッシュ。






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Rose
ローズの香り。
やや塩分があるバターキャラメルにローズを合わせているのは良い。






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Jasmin
華やかなジャスミンの香り。
甘く、どこかミルク感のあるガナッシュ。






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Fleur Bleue
アールグレイは軽い香り付けに抑えている。






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Fleve de rhym
ほのかなライム。言われなければライムとは気づかない。






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Violette
スミレ。
紅茶のニュアンス。華やか。




フェルベールさんのショコラは繊細。

一過性の刺激に走らないお菓子は他のショコラティエの刺激的な香りや味と比べると埋没してしまいがち。

しかし、いつしかフェルベールさんの優しくそして深い味わいに気付く。

アルザスに根付いた素朴な味わいは必ず再評価されなければならないと思う。

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2009/01/27

アンリ ルルーさんのセミナー Salon du Chocolat 新宿 伊勢丹

26日に終わってしまった 2009 新宿伊勢丹 Salon du Chocolat 。

名残惜しいので、23日に参加したアンリ ルルーさん(Henri Le Roux)のセミナーを振り返ってみましょう。




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ルルーさんの店はフランスはブルターニュのキブロン(Quiberon)。

ケルト文化色の強い街に32年前に店を構えたことによって ルルーさんの運命は大きく変わったようです。



ルルーさんによるとこの地域はチーズが発達しなかったそう。
乳製品を保たせるのには発酵ではなく塩を使うそうです。
その為にバターは全て有塩。塩分は3%と5%のものがあるそうです。無塩バターは無いとおっしゃっていました。

彼の代表作 塩バターキャメル(C.B.S.)はそんな環境から自然に出来たそうです。




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ここからは幾つかのボンボンを試食しながら話を聞きます。






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まず、最初のボンボンは塩キャラメル(C.B.S.)のボンボン。
有塩バターの塩けが甘さに芯と輪郭を作ります。


因に、ルルーさん流のボンボンの試食方法は、丸ごと口に放り込み
噛まずに溶けるのを待つ。

一方、ルルーさんの奥さん流は、全部噛んでから溶かす。

デギュスタシオンにも流派があるんですね。

ワタシ流はナイフで半分に切ってから口に放り込み、噛んでから舌で舐る。皿も手も汚れるし、食べ方も何となく下品ですが、まぁ気にしない気にしない。






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トリュフ ド トリュフ(Truffe de Truffe)

5粒で5000円と大変高価なボンボン。
お食事番長が今年のサロンで真っ先に入手したのはコレでした。


80年代にトリュフ生産者のベベールという方と知り合い、このボンボンが作れるようになったそうです。

生クリームにトリュフを削って入れ、その生クリームをショコラと合わせるそうです。

完璧なマリアージュのボンボン。
いたずらにトリュフの香りが広がるのではなく、ショコラと渾然一体としながらも風味に厚みが増す美味しさ。アタックは寧ろ優しいのに厚みが有ります。





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シュゼット(Surette)

クルミのプラリネ。

ルルーさんが言うには「クルミだけではプラリネは作れない」
「クルミは脂肪分が多いのでアーモンドなどのナッツと合わせるほうが良い」のだそうです。

滑らかなのに粉っぽさもある舌触りが美味しいです。





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ルイゾン(Louison)

ルイゾンとは50年代に世界最大の自転車ロードレース ツール ド フランス を3連覇したルイゾン ボベ (Louison Bobet)選手からイメージしたそう。ルイーズちゃんという意味ではないそうです。

ルイゾン ボベは引退後にキブロンにタラソテラピー施設を作ってこの街の名士になったそうで、彼に会う為に街を訪れる観光客にアピールする為にこのボンボンは出来たそうです。

このルイゾンにはパッションとフランボワーズの2種類の味があって、パッションはツールドフランス優勝者だけが着れる黄色のマイヨー ジョーヌ。
フランボワーズはジロ デ イタリア優勝者だけが着れるマリア ローザの色からイメージしたそうです。


アタックが強くパッと花が咲いたような煌めき。
ルルーさんの味の中では派手なものです。





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スワジック(Soizig)は人名フランソワーズのこと。

ブルターニュで今でも使われているブルトン語ではsoazigと書くそうですが、soa はこの地域以外のフランス人には発音し辛くsoizigとしたほうが自然に発音できるので音に合わせsoizigとしたそう。

スペルより音を優先って....、なんだかちょっと変だと思いませんか?

ブルターニュの名産といえば....行った事がないワタシでもソバと知ってるくらい有名。
そば粉のガレット(Galettes de sarrasin)はウチの近所のカフェでもランチメニューにあるくらい。いつの間にか全国的な定番メニューになっていますよね。

小麦(ble)に対して、黒い小麦(ble noire)と言うソバ。小麦に準じて大切なものなのでしょう。

アーモンドのプラリネにソバを入れて、更にソバのヴィスキュイ(クレープダンテルかと思いましたがヴィスキュイらしいです)が入りアクセントになっています。より香ばしさが印象的になる感じ。
少しねっとりした、ややミネラル感が強い味の中から突然ヴィスキュイからの香ばしさが現れます。

ルルーさんの使っているソバは友人が製粉してくれてるものだそう。人と人との繋がりは大切ですね。





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ミュールカルダモン(Mure Cardamome)

カルダモンを使ったガナッシュに桑の実のパートド フリュイを滑り込ませたボンボン。

ルルーさん流のデギュスタシオンで食べてみると、ガナッシュが溶けた後に残ったパート ド フリュイから桑の実の香りと甘酸っぱさが広がります。

遠くに感じるカルダモンの香り。

少量使っているフルールドセルが芯になっています。




「私が作る全ての物に塩が使われているとは思われたくない」

塩キャラメルで有名になったルルーさんはそう思っているそうです。


「塩は花火のようなもの」

ハーブも含めては口の中でちょっとしたパッションが起きるための演出なのでしょう。

ちょっとした演出で1つのボンボンに時間差と奥行きをもたらすのがルルーさんの真骨頂。

何個食べても食べ飽きないのはそんな工夫があるからですね。





このセミナーはこれで終了。

この後、会場から退出となるのですが。



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なんとルルーさんが参加者1人1人にお土産のキャラメルを手渡しして下さりながら見送ってくれるという大サービス。ファンにはタマラナイ時間になりました。




http://www.chocolatleroux.com/

http://www.henri-leroux.com/

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2009/01/26

ショコラフォンデュを食す Salon du Chocolat 新宿伊勢丹

エヴァン氏のイートインでショコラフォンデュを食べてみました。


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フルーツに暖かいショコラをかけて....

って、番長、チョロチョロかけるから美味しそうに見えない。
こーゆーのはドバッとかけないと。

なーんて思っても決して口に出してはいけません。
絶対シバキ倒されます。

折角のショコラにホコリが入らぬようオトナシク。ね。



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おぉ、ショコラがフルーツより甘くないんですね。

これは酸味もあって美味しいショコラです。


フルーツより出過ぎず、フルーツの甘みと酸味にショコラの苦みが合わさってる感じ。

オ・ト・ナ・の味。

美味しいじゃないですか。



ショコラフォンデュを食べてるとエヴァン氏が現れました。

番長はもちろん記念写真。




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しかし、この時番長は少しばかりエヴァン氏に....。




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B1のエヴァン氏の店にディスプレイされてたショコラ。

腹筋です。マッチョです。

番長はコレが気になってたらしい....。


もう1度確認しにB1へ。

マッチョ、マッチョ、マッチョと言いながらウインドウを見ると....


そしたら隣におっぱいチョコもありました。

なーんだ。


って!? 

エヴァンさん....

今どき、おっぱいチョコって!?



オトナって、時々わからないです。

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