試飲会

2010/01/25

農業としてワインを醸す日本のヴィニュロンたち

週末、渋谷 bongout noh で開催された『蔵出しワインの夕べ』という会に参加させて頂きました。

この会は今年が3回目だそうで、ワタシは1回目以来2回目の参加になりました。

(参照:2008/01/27 蔵出しワインの夕べ 日本ワインとその造り手たち





ぶどうを栽培して---そのぶどうでワインを造り---そのワインを販売する....。そんな
ヴィニュロンと呼ばれる造り手の皆さんに集まって頂いて飲み語らう会です。




昨年の夏に軽井沢の Cu-Cal で行われた 日本ワインの会 の続編みたいな感じですね。

(参照:2009/08/16 日本のヴィニュロンたち Cu-Cal 軽井沢






この日集まってくれたのは....


中澤ヴィンヤードから中澤さん。

ドメーヌソガから曽我貴彦さん。

小布施ワイナリーから曽我彰彦さん。

タケダワイナリーから岸平和寛さん。

ココファームから柴田さん&桑原さん。

丸藤葡萄酒から竹内さん。

ルミエールから小山田さん。

金井醸造場から金井さんと奥様の祐子さん。

四恩醸造から小林つよぽんさん。



鹿取みゆきさんと bongout noh の女将 岩倉久恵さんの呼びかけで9つのヴィニュロンから11人の造り手さんが集まってくれました。







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参加者も50人を越えていたそうで立錐の余地もない状態。
室内の温度もどんどん上がります。



1月の15日に登録した日本ワインのハッシュタグ #nihonwine を使って twitter で実況したかったのですが動けないし止まれない状態。
どーにもなりませんでした。



(因に、このハッシュタグ #nihonwine は日本ワインを応援する皆さんのタグです。日本ワインについてつぶやく時、良かったら付けてみて下さい。情報を共有しましょう。)



ウエルカムは四恩クレマチスロゼ。乾杯はルミエール醸しの甲州。
#nihonwine 6:14 PM Jan 23rd



四恩醸造は勝沼朝市ワインセミナーでお会いしたつよぽんのワイナリーです。


(参照:四恩つよぽん登場 かつぬま朝市ワインセミナー #2

(参照:四恩つよぽん登場 かつぬま朝市ワインセミナー #3





昨年の夏に畑に行ってみたルミエールのワインで乾杯。

(参照:2009/09/03 ビオロジックなぶどう畑 シャトー ルミエール



3月に発売される予定のワインがジャンジャン振る舞われます。



中澤さん、タカヒコさん、ココから桑原さんと豊一郎さん、小山田さん、つよぽん、竹内さん、一郎さん、アキヒコさん。
#nihonwine 6:26 PM Jan 23rd




ボングーノーはカオス。人多すぎ。冷房追いつかず。楽しいー!
#nihonwine 7:55 PM Jan 23rd




乾杯から2時間半、何人かの造り手の方とお話をさせて頂きましたがかなり突っ込んだことにも真摯に答えて頂きました。



甲州の糖度について、豊田さん、つよぽん、一郎さんの3人はボケとツッコミのコント状態。大爆笑。最高でした。

しかし、コレは内容が書けません。

正直、
誤解を生みそうなので文字におこせないことが多くなんとももどかしいところです。

ホントに面白かったんですよ。


ゲラゲラ笑ってアッと言う間の蔵出しワインの会でした。



twitterでほとんど何もつぶやけぬままエンディングです。





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中澤さんがワインファンに衝撃を与えた栗澤ブラン08はほぼ在庫切れ。キッチンセロ分はまだあるそうなのでセロで飲んで下さい。





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タカヒコさんのピノノワールは軽井沢Cu-calで飲んだ時より美味しかった。キュートなベリーの香りとワインの骨格にスッと一本通った酸が印象的でした。余市の畑に行ってみたいですね。





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タケダワイナリーはシードルの発酵が進み、旦那さんの和寛さんが1人でこの会に出席していました。人為的なコントロールを行わない醸造は予定が立たない作業の連続なのでしょう。





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曽我ブラザース兄の彰彦さんは21時の電車に乗らなければならない事を20時40分にポツリと言いました。鹿取さんもビックリ。






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お笑いコンビのようなココファームの桑原さんと豊田さん。栽培担当の桑原さんは元々ココファームで栽培を担当していた曽我貴彦さんと一緒に働いていました。貴彦さんに厳しく仕込まれたかどうかはわかりませんがこの若さで責任者です。とても気の良い若者たちです。








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エンディング。ルミエール小山田さん。
#nihonwine http://moby.to/2dahvy 8:50 PM Jan 23rd



ルミエールの小山田さんの言葉に圧倒されました。

「ここにいる皆は
ワイン造りは農業であって欲しい と思っている仲間です。」

「しかし、ワイン造りが農業でなかった時代がありました。」

「その事にボクたちは "
落とし前 " を付けなければと思っています。」







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晩ごはんゆっくりたべませんか?つよぽんの提案。
#nihonwine 8:55 PM Jan 23rd



『晩ゴハンをゆっくり食べましょう』は、つよぽんのテーマになっているよう。先日の勝沼朝市ワインセミナーでも提案していました。




つよぽんのワインのエチケットを描いているかたは95歳‼
#nihonwine http://moby.to/xabcuz 8:59 PM Jan 23rd




@kohyusha お疲れ様でした。aちゃんの質問、胸きゅんの味にやられました。落とし前のお手伝いがしたいです。
#nihonwine 10:38 PM Jan 23rd



ビッキーちゃん(勝手に命名、許せ。)から「つよぽんのワインは " 胸キュン " の味がする」に一同納得。






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竹内さんは今まではこんな会にあまり参加されて無かったそうですが今後は積極的に参加していくそう。日本ワインファンと触れ合う機会が増えそうです。





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最後は金井さん。


「農業は本来クリエイティブなもの。」

「その農業に喜びを感じています。」

「夢や喜びを持って....
何だっけ? 落とし前? ..... 落とし前 をつけていこうと思います。」








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この会には、それぞれのワインに対しマリアージュするよう考えられたアテが用意されていました。
ピンチョスみたいに全てが1串だったり1さじだったりで人数分用意されていて、仕込みに費やされた手間と時間を考えると大変だっだことは想像に難くありません。ボングノースタッフの皆さんに感謝です。

また、この会の企画をなさった鹿取みゆきさんに感謝です。
鹿取さんでなければコレだけのメンバーに集まって頂くことは難しかったと思います。
これだけの造り手に1度に会える機会はそうはありません。





ワタシは時々ぶどう畑に行くことがあります。

もちろん好奇心から畑に行くのですが、造り手の皆さんに『アナタを注目している』というメッセージを送るためでもあります。

ワインを購入するのも行けるところならなるべく行って購入するようにしています。


(もちろんワタシの自己満足です)




ワイン造りは農業であってほしい。



小山田さんの一言は、この日ここに集まった人々の共通の思いになった気がします。


生産者と消費者が
同じ思いを共有できるかぎり日本ワインには夢がある。

そう確認することが出来た、とても楽しい夜でした。


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2009/11/16

自然なワインの新たなインポーター テラベール試飲会

先週のこと。

イタリアから3組の生産者を招いたワイン会が新宿のトラットリア Briccola で開かれました。



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そこは、さすが Briccola
今回の3組はもちろん自然派と言われるワインの生産者ばかり。
農産物としてのワインにこだわっている造り手たちです。

それぞれ6本から10本くらいづつ出品されていたでしょうか。
大変な数のワインが勢揃いです。


こんな会の時って、片っ端から飲んでいきたいのですが、そんなことってあり得ませんよね。ワタシだけの会ではないんですもん。

なんとなく他の参加者の方とおしゃべりしながらタイミングを見計らい、前が空いたらサーブの方が手に持っているものを頂くことになります。
ほとんどの場合、何の品種の何年なんてこともよくわからない。
これは試飲会が大きくなればなるほど宿命的にそうなります。
皆さんも同じでは?

そんなワケで、流れにまかせて入口に近いところからワインを頂きました。




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Cascina Roera からクラウディオ。

この造り手さんのワインは何度か飲んだ事があったりします。
バルベーラというぶどう品種で定評がある造り手。

ワタシもバルベーラ飲んだことがあるのですが白ワインは飲んだことありません。
そこでこの造り手の白を頂きます。

確か、シャルドネ50%にアルネイス25%。このワイン、シャルドネの酸とアルネイスの香りがなんとも良い感じ。アルネイスの奥にあるナッティな香りもたおやかに感じることが出来ます。


旨いなーなんて思っていたら、自然とクラウディオの手が空くのを待ちながら、ほとんどの時間をここで過ごすことになっちゃいました。



gar.net店番タケダの通訳でいろいろ話しているうちに日本のある生産者が栽培しているバルベーラの写真がiPhoneに入っていることを思い出したワタシ。

クラウディオに見て貰いました。




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ビオロジックで栽培されているバルベーラの写真。

この造り手さんの畑の写真を見たクラウディオは「素晴らしい」と一言。

日本にバルベーラがあるとは思いも寄らなかったよう。





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バルベーラって畑でつまみ喰いしたことありますか?
結構、大粒で水っぽい旨味の薄いぶどうだったりします。

でも、もしかしたらそれは日本だけでイタリアでは濃い味なのかも....? ワタシ、そんな疑問を持っていたのです。



ワタシからの質問。
「実が大きくて水っぽいバルベーラは素人目にも難しい品種と思うんだけど、どう栽培したら良いワインになる?」

クラウディオ 「この畑なら問題ない。素晴らしい出来だと思う。」

ワタシ 「ある程度の凝縮感は必要だと思うけど、どーしたら良いのか?」

クラウディオ 「収量を抑えることだ。1つの枝に1房。さらに8月に房の下を切り落とすこと。」

ワタシ 「この畑の収穫のタイミングは遅いと思うけど。」

クラウディオ 「遅摘みだよ、バルベーラは。リスクは多いけど遅摘みのほうが良いワインになる。この畑のバルベーラは間違っていない。良い畑だよ。但し、収量は制限しないと。」


タケダの通訳ですが、まぁこんな感じです。


人様の畑の写真で盛り上がってしまったワタシ。
申し訳ないので誰のバルベーラかは内緒です。
まぁ、日本ワインが好きなかたにはバレちゃいそうですが。
あくまでも内緒ってことでお願い致します。
その方には、冬の間に会いに行こうと思っているので、その時にこの話しを伝えたいと思います。



ワタシがクラウディオと話していた間にお食事番長は精力的に試飲をしていたよう。どのワインも素晴らしいと満足げ。

そろそろ会が終わる時間になってワタシも慌てて飲んでみました。




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キャンティの生産者Montesecondo。



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Montesecondoは塩味とキュートな香りが印象的。
こんなキャンティなら一晩中飲んでもいいと思います。







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ブルネッロ ディ モンタルチーノの生産者 Il Paradiso di Manfredi からジョイアとシルヴィアの美人姉妹。

このワインも何度か gar.net で飲んだ記憶があったりします。




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凝縮感がありながら少し緩さもあって、このワインは無口だけど少し微笑んでいるようなワイン。
裸のまま、すっぴんのまま。
飾り気のない美しい立ち姿。
目の前にいる美人姉妹そのまま。

次回、温泉宿に持って行くワインが決まった気がします。


今回の生産者たちはインポーター テラベール さんが確信を持って紹介してくれた生産者たち。

先日の ロエロ アルネイス の会 のワインや、新宿伊勢丹のイタリア展で気に入ったワインがこのインポーターのものだったこともあって、とても気になっていたインポーターだったのです。

農産物としてのワインを扱う優良インポーター。皆さんにお薦めできるインポーターが1つ増えました。


今回は儲け度外視の低価格でこの会を開催してくれた Briccola
この日の Briccola の料理は生産者の皆さんに大好評。





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マネージャーの原品氏の何気ないサービス。
北村シェフの何気なく美味しい料理。
普段着で楽しめるカジュアルなイタリアン。
ワインは全て農産物として健康なワインばかり。
少し仕事が落ち着いたら来たいと思いつつ、なかなか行けないでいます。
少し人数がいたほうが良いワインをたくさん飲めるので忘年会とかで来るのも良いかも。
あらためてこの店を楽しみたいと思っています。





テラヴェール  http://www.terravert.co.jp/

トラットリア ブリッコラ  http://www.briccola.net/

カッシーナ ロエラ http://www.cascinaroera.com/ 

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2009/11/06

四恩つよぽん登場 かつぬま朝市ワインセミナー #3

ワインセミナーの続きです。



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「赤とかどーでしょう?」と、篠原さん。

赤ワインの窓辺2008がグラスに注がれます。






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つよぽん氏、語ります。

ごはん食べたあとで、「今日のワインなんだっけ?美味しかったけどあんまり覚えてない。そんなワインが最高だと思ってるんです。」

食卓で語られる楽しい会話に割り込みたくないって感じなのかな?

そーいえば、四恩の赤ワインって造り手の自己顕示欲を感じないワイン。
緩い味わいで、いつの間にか染み込んでる感覚ですよね。



「赤ワインって濃ければそれでいいのか?って思ってまして。」と、つよぽん。

「最初の飲み口のインパクトは無いけど、飲んだ後に戻ってくる香りが良いワインが好きで、そんなスーっと飲めてしまうワインを造っていきたいと思っています。」

なんとなくわかる気がします。



「今の話しに反論の有る方?」

篠原さん、参加者を挑発。笑いがおきます。


「今日のワインをしっかり覚えてまた次に飲みたい気持ちもあるんですよね。欲が無さ過ぎると思います。」

そのワインをも話題にして楽しみたい気持ちもありますよね。

つよぽん氏は自身のワインの行く先を「ハウスワインに向かって行くのかな?」と思っているそう。

「ハウスワインって自分用のワインってことですよね。いつもあって安心する酒。おとーさんが毎日飲んでるいつもの酒。そんなワインを造ってみたいと思っています。ホントは欲もあるんですけどね。(爆!」

ワタシたちの日々の生活に自然にとけ込んでいるようなワインが造りたいんでしょうね。





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ここで篠原さん特製の甲州ぶどうの "ぶどう漬け" 。

江戸時代に甲州街道のお茶屋さんで食されていたお菓子だそう。
砂糖漬けにしたぶどうを塩漬けしたシソの葉でくるんだもの。
篠原さんがいろいろ調べて「こんな感じかな」と想像して作ったそうです。

砂糖漬けのぶどうを塩漬けのシソでくるんで....。

日持ちを良くするための工夫。先人の知恵に一同感心することしきり。





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最後のワインは酒精強化ワインの仄仄2008。

デラウェアを醸した甘口ワイン。

モルトウイスキーの樽香。
デラウェアのブランデーを使っている甘口ワイン。
デラウェア香を生かしてみたいと思って造ってみたそう。


「チョコレートに合いそう。」

「幸せだなー。」

「デラウェアとは思えない。驚いた。」

参加の方から声が上がります。


「皆さん、酒精強化ってジャンルのワイン、飲んでますか?」

甘いワインは寝る前に雑誌とか本とか読みながら飲むと最高なんですよね。
ワタシとお食事番長ももちろん甘いワイン好きなんです。
しかーし、スーパー残業が続く現状ではなかなか楽しむ余裕はありません。



「時間をゆっくり使いたいときにボクは飲むんですよ。いつの間にか眠くなっちゃうんですけどね。(笑」

ワタシも同じです。寝落ちするギリギリで歯を磨いて眠ると幸せです。



「このワインは亜硫酸塩を使っていません。少し梅酒のような酸化のニュアンスが出るかもしれません。」

その酸化のニュアンスがアクセントになっていてクセになりそうです。



ここで酸化防止剤についてのつよぽんの考え。

「亜硫酸塩は使う時は使います。でも不必要に加えるのは出費になるので。(笑」「誰も喜ばない使い方はしないです。」

お食事番長は亜硫酸塩にとても敏感で、感じると様々な形でサインが出る人です。でも、つよぽん氏のワインに身体が反応したことはありません。
瓶詰めの際に少し使ったとしても極々微量なのでしょう。お食事番長もほとんど感じないです。



「ブランデーもぶどうから作っています。天然の旨味だけ。そんな感じのワインです。」




「篠原さんのベリーAの果皮の薄さに驚きです。」

参加していた甲州市役所農林商工課ワイン担当の方から声が上がります。

(甲州市では姉妹都市であるフランスのボーヌのワイナリーに地元中学生を研修に行かせているそうですよ)



「今年のうちのベリーA、どうでしたか?」

この篠原さんのベリーA、糖度は22から23度の間だそう。
スゴイ糖度です。

「アルコール度数が上がっちゃうので、どーしようかと思ったくらいです。」

つよぽん氏、「今年のワイン、篠原さんの前だからではなく非常にクオリティが高いです。」「今年のぶどうは素晴らしいです。」



ここからつよぽん氏、一気に語ります。



「6月から7月の頭まで低温と雨で晴れた日を見た事が無いほどです。」

東京でもそーでした。ワタシの業務日誌にも雨マークが並んでいます。


「7月の第2週からは雨が全く降らなかった。台風が来たくらいです。」


「寒い時期を通っていたので酸があります。暑くなるとぶどうの中で酸は分解されてしまいます。けど、暑くならなかったので酸が保持されたんです。


「そして雨が降らなかったのでぶどうが大きくならなかったんですね。小さいまま旨味が凝縮しました。」


「今年のぶどうは糖度が高くて酸度が強い。」


「このあたりでワイン造りしてる人が経験したことがない未知数のぶどう。みんな楽しかったし怖かったと思います。やったことがないぶどうでしたから。」


「ワイン造り始めてから1ヶ月経ってみて、今まで自分たちが求めていたヴォリューム感が出てる。天候ってスゴイなと思いました。」



「雨が多くて真夏日が無かった。そんなこんなで、どーやらぶどうは良かったらしい。2009飲んだらそんな事思い出してほしいんです。朝市のワイン会で飲んだなとかも。」

朝市の真ん中のテントでまったりしながらも白熱の講演。
良い話しがたくさん聞けました。来た甲斐がありました。



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つよぽん氏の講演。〆の言葉は....

「それでは皆さん、たのしい食生活を....。」

って!?

ワインの宣伝じゃないんかい!!

不思議な可笑しみに人柄がにじみます。



そろそろ楽しい朝市ワインセミナーもお開きの時間になりました。


「11月3日は甲州ヌーボーの解禁日です。2009はどこのワイナリーさんでも素晴らしいワインが出来ました。また1年後2年後、ぶどうにとってどんな年になるのか。注目していくと面白いですよ。」





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「あちら(東側)の山の斜面には(行基伝説の)大善寺がある鳥居平。」

「向う側(南東)には(この日は霞んで見えなかったけど)(雨宮勘解由伝説の)城の平。」

「日川(にっかわ)の橋の向う側には(フランスに研修に行った土屋助次郎から醸造技術を受け継いだ宮崎光太郎が興した)宮光園。」

「(全てを一望できる)この場所でワインを飲むということには意味があるんです。





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「今日の出会いを皆さんのワイン記念日にして下さい。そしてワインの応援団になってほしいな、と、思います。」



素晴らしい!!

素晴らしい朝市のワイン会。

篠原さんの熱意が伝わってきてなんだか体温が上がったような感覚です。

この かつぬま朝市ワインセミナー 、次回の開催は4月だそう。

是非是非、再び参加したい。
篠原さんにまたお会いしたい。

ホントに素晴らしいワイン会。
ご尽力頂いた皆さんに『ありがとう』を贈ります。








かつぬま朝市      http://haj.web.infoseek.co.jp/

かつぬま朝市ワインセミナー
http://haj.web.infoseek.co.jp/asaiti/syuten/wine-seminar/wine-index.html

雪江おばちゃんのワインエッセイ
http://haj.web.infoseek.co.jp/asaiti/asaitikai/hitokoto/wine-expert/index.html

四恩醸造    http://www.4-wine.net/

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2009/11/05

四恩つよぽん登場 かつぬま朝市ワインセミナー #2

こんにゃくおばちゃんの講義はまだまだ続きます。

T型オープナー によるカッコイイ抜栓方法。T形で女性でも簡単に抜栓できる秘技『雑巾しぼり』の披露。


そして、いよいよ、テイスティングへと続きます。





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まず、勝沼醸造の甲州ヴィンテージ2006。

勝沼醸造甲州ヴィンテージ2006は透き通ったワイン。
色はほとんど感じないくらい薄いキレイなワイン。
ミカンやリンゴなどの香りに柑橘系の白い花の香り。


それから肴の説明。


「わたし、"こんにゃくおばちゃん"なので、こんにゃくから説明させて」と篠原さん。





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手作りおさしみこんにゃく。

「細かい話しで申し訳ないんですけど....」と、はにかみながら....

「3枚お刺身こんにゃくがあります。1枚は手作りの甘味噌で。1枚はブラックペッパー入りの岩塩で。3枚目は美味しかったほうで楽しんでみて下さい。」

篠原さんたち"あいあいクラブ"が朝市で販売しているこんにゃくは絶品。まるで鎌倉こ寿々わらび餅みたいなプルプルの食感。ヤバい旨さ。朝市では甘味噌付き150円で絶賛販売中です。

篠原さん手作りのカリフラワーのピクルス。
カリフラワーは頂き物。もちろん篠原さんの手作り。

「甲州種にカリフラワーのピクルスはとても合うんです。是非試してみて下さい。」と、篠原さん。確かに甲州種の柑橘の感じと少しの渋みがよく合います。

続いてはパンに付けるディップ2つ。これも篠原さんの手作りです。

1つはクリームチーズにタマネギとアンチョビのディップ。
もう1つはクリームチーズに何にかが入ったディップ。

「"何か"は内緒。今はハテナ印にしときましょう。当てて下さい。」と篠原さん。

このディップ2つは、この後に試飲する橙ワインのブーケ2008に良く合いました。やはりクリーミーなものには樽が合います。

ワタシは『ぶどうに人為的な介入』を加える"樽香"があまり好きではないのですが、クリーム系のものには"樽香"がよく合うのも事実です。食事に合わせるには"樽"もなかなか良いもんです。

マスカットベリーAは篠原さん家で栽培したぶどう。
四恩醸造に納めているそうです。


桃のコンポート。
この日参加の方のご母堂の作品。
やはり朝市で販売しているものだそうです。
ウチはちょっと見逃したかもしれません。


栗の渋皮煮。
やはり篠原さんの手作り。
栗は貰ったものだそう。


「桃のコンポートと栗の渋皮煮は最後のワインに合わせて頂きたいのでとっておいてくださいね。」と、篠原さん。


そーいえばこの会の会費は驚愕の500円。
この内容はもはや予算オーバー。間違いなく"持ち出し"ですよね。
ぶっちゃけ"ダータ"みたいなものです。
手弁当どころか食材や知恵を持ち寄って開催されています。
熱意が無いとなかなか出来ることではないです。



「皆さん、飲んだり食べたりしてる間に小林さんを紹介しましょう。」



ここで篠原さんの紹介で、四恩醸造"つよぽん"こと小林氏の登場です。



ここからは篠原さんと小林氏の漫才のような掛け合い。
お笑いのライブに来たような楽しい会になります。





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「若手の頑張っている醸造家。声を強めて言いますが、
非常に変わったワインを造っています。」と。

会場から笑いがおきます。


「ワインだけじゃありません。瓶、ラベルも....。」

つよぽん氏も笑っています。


「ワインは楽しいものなので勝沼醸造甲州をグイッと飲みながら食べながら楽しみましょう。」

こんにゃくを食べながら耳を傾けます。

「勝沼醸造甲州はハウスみかんの香りがパッときてスッと消えて、淡い感じが良いですよね。」

缶詰のみかんみたいな香りを感じます。

「こんにゃくに甘味噌を付けて食べると勝沼醸造甲州のみかんの香りが上に飛んできて食事が広がります。」と、つよぽん氏。

つよぽん氏、とても饒舌です。


ここで篠原さんから「今日は言いたいことが一杯あるんですよね。」と、挑発的な一言。

笑いが起ります。

ワインエキスパートやソムリエさんなど、(フランス産)ワインの文法を学んだ方には四恩醸造のワインには”受けいれられない”ことが多いのは想像に難くありません。





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試飲は四恩醸造のワインへと変わります。

ブーケ 2008 橙

赤ワインでも白ワインでもなく、つよぽんがワインと言っているものです。





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果皮ごと醸した甲州種のワイン。
四恩ファンにはお馴染みなのですが....。

でも赤でも白でもない橙色のスティルワインって理解できますか?

「ワインについてご意見を。」


お二人から声があり、参加の方から「色がキレイ」と声が上がります。

ワタシもガヤを入れてみました。

「皮ごと醸したのでは?」

もちろん四恩ファンにはよく知られたことなんですけどね。

「皮ごと醸したと声が上がりましたよ。」

篠原さんが素早くガヤを拾ってくれました。

つよぽんがガヤに解説を入れます。

「やや濁っていて褐色。そんなものをボクは橙(ダイダイ)と言ってるんです。朱色からオレンジの間くらいなんですけど....」

「こんな色の原因は"醸す"から。普通の白ワインはジュースを作ってから発酵させます。この橙の場合は皮も実も一緒に"醸して"います。この甲州種のワインは果皮の色や味わいを出したかったものでこんな方法を取りました。」

「どちらが良い悪いではなく、どんな時に良いかです。」


日本の家庭の食卓を意識したつよぽんのワイン。
果皮のニュアンスは日々の食事を楽しくさせる為に必要なのでしょう。



ここで篠原さんより2つ目のディップの種明かし。


「入っていたのは"ころ柿"です。干し柿をこの辺では"ころ柿"と言って特産品なんです。この"ころ柿"は昨年のものを大切に取っておいたものです。」
という説明。
干し柿とすぐにわかりましたが、2008ビンテージの干し柿とは思いませんでした。

「今年は柿が不作なので"ころ柿"は食べられないかも知れません。少しですが味わって下さい。」

更に続きます。

「ボトルがコルクじゃないですよね。そのへんの話しを聞いてみましょう」

話題はスクリューキャップとエチケットに移ります。

まずはスクリューキャップ。

「実はコルクが抜けないからワインを飲まないというかたが結構いらっしゃるんですよ。スクリューなら”開け方を知らない”とは言わせません。(笑」



アートラベルのエチケットは。

「一人暮らしなので食卓を彩ることってなかなか出来ないんですね。ボトルに描かれた模擬的な花を食卓に置く事によって食事に彩りが出来るかなと。」




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四恩醸造のエチケットは花の絵。
品種などの情報がありません。

「絵のラベルだとどれがどのワインだかわからない。よく言われるんです。わからなくって結構です。そのぶん、何本も飲んで頂ければと。(笑」

「それでもね。今飲んでいる品種が何か知りたいんですよね。」

「先入観や固定観念を持たずに飲んでほしい。だから情報を削除する方向でアートラベルにしています。異端な事しかやってなくってスミマセン。」

「ワインが楽しいのは多様性があること。基本がぶどうってことで、あとは何でもアリアリです。嗜好品ですから楽しく飲める環境さえ作れば良いのです。」


つよぽんの醸すワインの方向性が少し見えてきました。

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2009/11/04

四恩つよぽん登場 かつぬま朝市ワインセミナー #1

我が社は10月中旬から年末モード。
はやくもonとoffの区別がつかない毎日。
日曜日に休みを取ることすら難しくなっています。

そんな日々なのですが、この日だけはと日曜日を確保。
向かったのは勝沼です。

住民が勝手に始めちゃったというウワサの朝市がありまして。

そんな朝市だけでも興味津々なのですが、この朝市でとても魅力的なワインセミナーが開かれているようなのです。




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朝市はシャトレーゼさん裏の駐車場。
セミナー会場は朝市会場中央のテントです。




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講師さんは『こんんゃくおばちゃん』こと 篠原雪江 さん。

なんと61歳にして一念発起。フランス語のエチケットに四苦八苦しながらも見事にワインエキスパートを取得したそう。
60過ぎて新たなことにチャレンジするって素晴らしいと思いませんか?

ずーっと昔のことですが、勝沼醸造の先代の弟さんと仕事していたことがあったりするのです。彼は60歳からスキーを始めて、数年後に一緒に北海道に行ったときはキレイなパラレルターンで滑っていたんですよね。甲州の人はチャレンジ精神が衰えないのかもしれません。

blogを始めてからいつの間にか飲んだり食べたりってことよりもそこにいる人に興味が移っています。飲んだり食べたりってことだけなら東京にいたほうがたくさん出会えます。これはもう間違いありません。お金を払えば必ず手に入るし食べられます。

ワタシたちがあちこちに行ってみるのは美味しいものを食べるためではなく、こんな面白い人に出会う為だったりします。




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こんにゃくおばちゃんこと篠原さんって陽のエネルギーが溢れるようなかた。
ワタシ自身もどちらかと言えば陽でポジな方かと思いますが、篠原さんのようなハツラツ感は持っていません。
篠原さんのエネルギーを浴びていつも以上に元気になってしまうワタシとお食事番長です。

かつぬま朝市ワインセミナーは篠原さんの人柄もあって大人気。
とても人気があるので予約は必須です。



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セミナーはこの地でぶどう栽培が始まった起源。
甲州種のまつわる2つの伝説から始まりました。


今から1300年前の西暦718年のこと。
修行の僧 行基 が日川の岩の上で瞑想していたところ、21日目の満願の日に夢枕にぶどうを持った仏様がたったそう。行基は薬師如来を彫りその像を納めるため大善寺を建立。その大善寺周辺で薬としてぶどうが栽培され、それが甲州ぶどうの始まりという説。

2つ目は800年前の西暦1186年のこと。祝村に住んでいた雨宮勘解由が祭りの日に変わった山ぶどうを見つける。このぶどうは5年目に30房の実をつける。その30房のぶどうを村人に分けて育てる。それが甲州ぶどうの始まりとする説。

興味深い伝説2つ。
いずれにしても、西暦1615年には甲州ぶどうの棚栽培が始まっていたそうなので起源はかなり古い品種なのでしょう。


甲州種ワインを造り始めたのは明治になってから。
明治政府の殖産興業政策を受けて日本全国で葡萄酒を造ることが奨励されたそう。

江戸時代にはぶどうの名産地であったこと。生糸の交易で開港地横浜と関係が深かったこと。これらのこともあり山梨では早くからワイン造りが始まりました。
最初に造ったのは明治3年。
甲府の山田宥教氏と詫間憲久氏が造ったそう。
ただ暗中模索の製造で経営的にも上手くいかなかったそうです。

そんな時、祝村でも「どーでぇ、若いものでもフランスに行かせるじゃんけー」ってなことになり(おばちゃん談)2名の若者をフランスに派遣することになったそう。
この辺りの農家は、ぶどうと生糸で結構潤っていたと思われます。

明治10年に25歳だった高野正誠と19歳だった土屋助次郎(龍憲)はこうしてフランスに渡り、栽培法 醸造法 を学び、1年半後に帰国。村人に栽培法醸造法を伝え、またこの地に学びにきた研修生によって2人の持ち帰った技術は全国に広まったそうです。

帰国する際、フランスより欧州品種の苗を祝村に持ち帰るように言われていたのですが、それらの苗がフィロキセラにかかっていた為に失敗。白は甲州種。赤は高野正誠と土屋助次郎が渡仏した時に出資した高野積成が入手したアジロンダックでワイン造りを始めます。


この日の会場のシャトレーゼ駐車場から日川を挟んだところにある宮光園。
土屋助次郎はこの地で宮崎光太郎と甲斐産商会という酒造会社を起こすそうですが2年で解散。たぶんケンカ別れでは。
醸造法を引き継いだ宮崎光太郎は独立して醸造所を起こし、その醸造所が今のメルシャンワインに続くそうです。

戦前の日本人は甘い酒を好んでいたこともあり、酒よりも酸の強いワインはなかなか受け入れられず、営業的には成功しなかったようです。このために甘みを添加した人工甘味ワイン、赤玉ポートワインって昔有ったような気がしますが...、そんなワインのほうがつい最近まで支持されていたのでしょう。

いづれにしてもワイン造りは苦難の連続。昨今の成功は夢のようなことかもしれません。

こんにゃくおばちゃんのワインセミナーはテイスティングへと続きます。




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かつぬま朝市   http://haj.web.infoseek.co.jp/



かつぬま朝市ワインセミナー

http://haj.web.infoseek.co.jp/asaiti/syuten/wine-seminar/wine-index.html


雪江おばちゃんのワインエッセイ

http://haj.web.infoseek.co.jp/asaiti/asaitikai/hitokoto/wine-expert/index.html

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2009/10/29

酒と酒器とチーズの関係 湯川酒造試飲会 gelee blanche

ちょっと前に話しになってしまいました。

ワタシが応援している蔵 湯川酒造店 の試飲会がお馴染みの松本 gelee blanche であったのです。



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今回のお題は

チーズ酒器の宴


酒とチーズの相性。

酒と酒器の関係。

いろいろ試してみようという試み。




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いつも陣取っているカウンターには 酒器道楽 佐々木さんの酒器。

様々な作家さんの酒器が展示されています。




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手に取って触ってみて良いという事なので片っ端から触ってみます。




酒は 湯川酒造店

十五代 九郎右衛門 純米吟醸 ひやおろし

十五代 九郎右衛門 特別純米 9号酵母

十五代 九郎右衛門 特別純米 長野酵母

木曽路 純米吟醸

このblogではお馴染みですね。





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チーズは gelee blanche

(12時のところから時計回りで)

ピエールロベール 白カビ

カブラレス 青カビ

ブリケット デ ゴール 山羊

ニュイドール ウォッシュ

コンテ18ヶ月



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他に地の野菜がどっさり。


美味しい酒。

その酒を支える酒器。

マリアージュの楽しいチーズ。

土地の新鮮な野菜たち。

内容が濃過ぎます。




試飲会が始まり、十五代九郎右衛門を飲んでいた時、参加者のどなたかが良いことを仰った。


『ソービニョンブランみたい....。』


ワタシはいつでもこの酒の奥に夏の稲の香りを感じるのですが、思わず膝ポン。確かにソービニョンブランみたいな香りを感じます。

野菜たちにソービニョンブランみたいな酒はよく合います。

もちろんチーズにも。


20BYは19BYに比べるとやや甘みが強く表現されていますが、この甘みは青カビチーズにとても良く合っちゃいます。
また、ソービニョンブランのような香りには山羊のチーズも良く合うのです。
チーズに合わせるには九郎右衛門は非常に順応力の高い日本酒と言えると思います。




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この日面白かったのは酒器によって味の感じ方が変わるということ。

形がほぼ同じ酒器が2つ。

1つは釉薬がかかっているもの。

1つは素焼きのような釉薬がかかっていないもの。

この2つの酒器で木曽路 純米吟醸 を飲み比べてみたのです。

木曽路 純米吟醸 は36日間醸されて造られた酒。
やや酸が強く、酒としては少々異色な出来。
まるでマルクペノさんのミュスカのよう。

この酒を釉薬のかかった酒器で飲むとよりのキレを感じます。

素焼きのような酒器で飲むと不思議とコハク酸にフォーカスするように感じます。

ワインはグラスの形状で味や香りの感じ方がかわりますが、酒も酒器によって感じ方が変わるものですね。

(余談ですが焼酎も酒器の素材で感じ方がかわります。芋焼酎には鉄分の多い土で作られた素焼きのそば猪口くらいの器がベストだと思います。)


酒器道楽 佐々木 さんのミニ講座。カッコイイ酒器の持ち方。
これって上手く書けないけど、とても良いことを教えて頂きました。
腕の筋肉の動きを考えて、カッコ良く酒器を持ちましょうという提案。さっそく実行しています。




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この試飲会で是非マネをしたくなった肴が1つ。

リコッタに海苔の佃煮を合わせたメニュー。

これ、乗せるだけなのでメチャメチャ簡単に出来るのですが、なんとも言えない旨さ。

しかし、チーズと海苔ですよ....。

チーズを知ってるからこそ、この発想。

簡単だけどなかなか思い浮かばないですよね。
霜田さんの引き出しってスゴイです。




楽しいアイデアでいっぱいだった湯川酒造店の会。

最後にもう1つアイデアが。




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厳選した優しい素材だけの手作りプリンで著名な春夏秋冬さんのプリン。
なんと湯川酒造の大吟醸を使っているプリン!!

gelee霜田さんのアイデアを春夏秋冬さんで形にした大吟醸プリンはやさしいプリンに酒の旨味が合わさって素晴らしい美味しさ。
甘みをぎりぎりまで抑えているのがポイント。
素晴らしい美味しさでした。

酒造りが始まる、その時に開かれた湯川酒造試飲会。
またまた大盛況で楽しい会になりました。


今回はワタシたち2名以外にも東京から4名の新たな尚子ファンが参加。
この酒に魅せられる尚子ファンが確実に増えているのは嬉しいです。

実は荻窪あたりの飲食店では十五代九郎右衛門を置く店が急増中。
ちょっとウワサになっている酒だったりします。
ワタシたち尚子ファンは少し鼻が高い気分を感じています。


さて、今回も楽しかった松本。
次回は年が明けた寒い日になりそう。
どーやら gelee blanche 主催の 湯川酒造店 蔵見学会があるらしい。

これはもう必ず行きたい。
gelee霜田さんに頑張ってもらうしかありませんよ。






湯川酒造店     http://www.sake-kisoji.com/

酒器道楽      http://www.drink-style.com/

gelee blanche    http://love.ap.teacup.com/geleeblanche/

春夏秋冬      http://www.purin-shop.com/

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2009/10/05

日本酒と十五夜を楽しむ会 湯川酒造試飲会

荻窪に茶房コトというカフェがあります。

昨年まで 茶のイ だったところです。

そのコトさんで先週の土曜日に日本酒の会、日本酒と十五夜を楽しむ会 が開かれました。





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今回、酒を持って来てくれたのは湯川酒造店。
ワタシが心酔している木祖村の酒です。

酒造りが始まる直前、準備でとっても忙しい蔵から尚子さんがやってきてくれました。




この日の酒は....

十五代 九郎右衛門 純米吟醸 ひやおろし

秋に収穫した米を醸し、春、夏、秋と季節を越えたひやおろし。
旨味が乗ってホントに良い味になりました。
しかし、熟成したほうが酒造りにつかう水木沢の伏流水のニュアンスを感じるのは不思議な気がします。
アタックの優しい酸。
エンドレスで飲み続けても飲み飽きない素晴らしい酒です。


十五代 九郎右衛門 特別純米 長野酵母

やや直線的な長野酵母。
湯川の酒としてはややワイルド。
ガッツリしたものに合わせると良いかも。
甘辛く煮た味にも合いそうな気がします。


十五代 九郎右衛門 山廃純米 17BY

ヤクルトのような乳酸の香り。
熟成された旨味。
キュートなようで複雑な香り。
その香りと逆方向の旨味。
クセになる美味しさ。
常温熟成した酒って熟成香があるものだけどこの酒にはそれがない。
優しいけど力強い。"たおやか"という言葉がぴったり。


木曽路 三割麹純米酒

麹を通常より多く使った酒。
麹の香りがやや立つけど気になる程でない。
旨味のレンジが広い。
他の発酵食品とガチで合いそう。




なんだか、少しぎこちなく始まったこの会。
酒が進むにつれ、和やかな雰囲気に。



参加の方々もポツリポツリと語り出し、やがて驚きの事実が明らかになります。
なんと、今回の参加者の皆さんは半数が試飲会に馴染みのない方々。
しかも、数名のかたはほとんど酒が飲めないそう!?

皆さん楽しそうに飲んでいたのでまったく気付きませんでした。
ホントにビックリです。


そんな皆さんからは....

「”ひやおろし”というのが美味しい」

「お酒は全く飲めないはずなのにこのお酒は飲める」

「お酒を飲むといつも頭が痛くなるのにこのお酒はならない」

「同じ酒ばかり飲んでいるのに飲み飽きない」

等々。

反応が良く、正直少し驚きました。



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コトさんの料理が酒を引き立てます。




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優しい味。




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キレイな色。






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申し分なくマリアージュ。




野菜の旨味を素直に感じる料理たち。

コトさんはこの店で料理教室やお菓子作り教室もやっているのですが、もしかしたらワタシも教室に参加したらこんな風に作れるようになるのかな。
コンテ協会のエプロンで参加しちゃおうか。


皆さんと楽しく語らいながら、酒と料理と新しい出会いが楽しめて、とても良い時間。


造り手の顔が見える酒って美味しいでしょ?


日本酒愛好家が少し増えたかも。

楽しい十五夜になりました。






茶房コト      http://blog.goo.ne.jp/coto12

湯川酒造店    http://www.sake-kisoji.com/

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2009/09/08

酒は未来を救う

Sake0240



日曜日、駒場エミナースのチャリティ試飲会。

酒は未来を救う  今、私たちに出来ること

 

http://ameblo.jp/sakewamiraiwosukuu


参加させて頂きました。



普通に書いちゃいましたけど、 チャリティ って不思議な組み合わせ。馴染まない言葉同士です。


この日の試飲会の収益の一部や会場内で寄付されたお金は、武蔵野赤十字病院の小児病棟の子供たちのクリスマスや七夕節分などのイベントに充てられるという企画。




子供の頃、大けが(複数箇所の内蔵破裂と大腿骨骨折)で長期入院していたワタシ。
自宅療養も合わせるとほぼ1年、悶々と床に伏しておりました。
子供にとっての入院生活がどんなものかよくわかります。

オトナなら1年先には元気になれると言われれば理解もできますが、子供はそうはいきません。
子供の時間の感覚ってオトナよりズーッと長いじゃないですか。明日の朝だって遠い先のことです。
まして、来週、再来週、一ヶ月先、三ヶ月先、半年先、一年先。とんでもなく遠い時間です。

1時間、1時間、1時間....。
我慢、我慢、我慢....。
ため息ばかりだった毎日を思い出します。

ベッドで暴れて、看護婦さん(当時はそう呼んでいました)、医師、家族、皆を困らせたこと、良く覚えています。

ショックとストレスから4年間普通に話すことが出来ず、ずいぶんイヤな思いをしました。(ケンカで負けなかったのでイジメにはあいませんでしたが)

いつか健康になるといわれても、健康になったとしても、子供にはなかなか耐えることって難しいのです。

一時だけでも気分転換できたなら....。その一瞬はホントに幸せでしょう。

今回はその一瞬のイベントの費用に寄付される。酒を飲むことで子供の役に立てるという夢の様な企画です。
威張って飲む必要はありませんがテンションは上がります。





会場内は大盛況。

正直、集中して酒を利くことや蔵元さんに酒の詳細を質問する余裕はないのです。





参加蔵元は.....

陸奥八仙     八戸酒造
あずまみね    吾妻嶺酒造店
阿部勘       阿部勘酒造店
一白水成     福禄寿酒造
天青       熊澤酒造
大那       菊の里酒造
鳳凰美田     小林酒造
来福       来福酒造
浅間山      浅間酒造
尾瀬の雪どけ   龍神酒造
結人       柳澤酒造
鶴齢       青木酒造
佐久の花     佐久の花酒造
豊香       豊島屋
遊穂       御祖酒造
白岳仙      安本酒造
小左衛門     中島醸造
播州一献     山陽盃酒造
賀茂金秀     金光酒造
天寳一      天寳一
宝剣       宝剣酒造
美和桜      美和桜酒造 

焼酎

けいこうとなるも えびす酒造
常徳屋      常徳屋酒造場
赤鹿毛      柳田酒造
朝日       朝日酒造
芋麹芋      国分酒造
やきいも黒瀬   鹿児島酒造

泡盛

多良川      多良川



協賛の蔵は....

屋守       豊島屋酒造
開運       土井酒造場
相模灘      久保田酒造
鍋島       富久千代酒造
奈良萬      夢心酒造
萩乃露      福井弥平商店
村祐       村祐酒造
山形正宗     水戸部酒造

焼酎

さつま寿     尾込商店




会場内には知人がたくさん来て楽しんでいました。

以前、お世話になった蔵元さん。
酒の会でお世話になった方々。
幾つかの酒販店さん。
飲食店さん。
gar.netチーム。
ご近所の酒飲み。

知人と知人、強制的に名刺交換させちゃいます。

楽しいこと、ムダなこと、いろいろと情報交換。


企画を実現させた主催者に感謝と賞賛を贈りたい。

手放しで素晴らしいと思います。

誘っていただいた 旅々さん にも感謝。

是非、次回も参加させて頂きたいと思います。                   

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2009/08/16

日本のヴィニュロンたち Cu-Cal 軽井沢

今回も長いです。頑張ってスクロールしてやって下さい。


先週末のことです。

ワタシとお食事番長は9amの新幹線あさまで軽井沢へ。

アウトレットで買い物した後に向かったのは Cu-Cal

Cu-Cal は夏の間だけ開かれるレストラン。
スターシェフが2~3日づつ来店して腕をふるう実験的なスペースです。

この Cu-Cal で日本ワインの造り手が集まるイベントがあったのです。

昨年も、城戸さん、曽我さん、岡本さんがこのCu-Calに集まるイベントが有って、もちろんワタシも参加したかったのですが、その日はあの太陽酒造試飲会に行くことが既に決まっていたので、Cu-Calには参加出来ませんでした。

(参照:2008/08/12 太陽酒造試飲会 角打ち石丸商店 大宮)

今年は何も無くってラッキー。
(土日で予定がないのはこの日とあとは12月の何週目かだけです)





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Cu-Calのイベント『日本ワインの会』は今年は鹿取みゆきさんと目黒のキッチンセロが関わっていて、昨年よりも賑やかな顔ぶれになっています。


造り手の皆さんがそれぞれの地元の食材を持ち寄り、自慢のワインに合わせちゃうという楽しい趣向です。




では、ワインと1品。

まずはウエルカムドリンク

クレマチス ロゼ 2008 ----- つよぽんの育てた桃のサラダ
甘い桃をマリネにしてあるのですがこの塩分がロゼの甘みともマリアージュ。
桃とぶどう、甘みと塩気。旨味の二重螺旋構造。
最初からマリアージュ炸裂です。



ここで鹿取みゆきさんから今回の趣旨。

日本にもこの10年でヴィニュロン(=ぶどうの栽培から行う醸造まで自分で行う生産者)が現れ、また、農薬に頼らない自然農法を実践している生産者の品質がこの数年で急上昇している現状を報告。

この日の会はそんな日本のヴィニュロンたちと自由に語り合える貴重な機会。
造り手の皆さんとどんどん話して欲しいと。




鹿取みゆきさんから参加ワイナリー(ヴィニュロン)の紹介。




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中澤ヴィンヤード(北海道岩見沢)より、中澤一行さん。
ココファームで醸造した栗沢ブランは衝撃的でした。この日も栗沢ブランで参加です。




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ドメーヌ タカヒコ(北海道余市)は、曽我貴彦さん。
ご存知、曽我ブラザース弟さん。ココファームを円満退社した彼は新天地で頑張っています。




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タケダワイナリー(山形県上山)からは、岸平典子さん。
日本のビオロジックワインの先駆けです。





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酒井ワイナリー(山形県南陽)からは、酒井一平さん。
初めてお目にかかります。






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ルミエールワイナリー(山梨県一宮)からは、小山田幸紀さん。
今までの山梨のワインが持つ『負のイメージ』を払拭して頂きたい。





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四恩醸造(山梨県牧丘)から、つよぽん こと 小林剛士さん。
甲州種はマセラシオンさせるべき。ワタシも同感です。
ウチで寝かせて、たぶん瓶内二次発酵した窓辺は凄まじく旨かったです。






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小布施ワイナリー(長野県小布施)から、曽我彰彦さん。(右は弟の貴彦さん)
全量ビオロジック。自社栽培100%にこだわるホンモノのヴィニュロン。
彰彦さんには毎度ワイナリーイベントでお世話になってます。
今年の植樹イベントは雨天中止。残念でした。





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城戸ワイナリー(長野県塩尻)から、城戸亜紀人さん。
全量天然酵母。酒質の強さはピカイチです。
今年は大きな貯蔵庫が完成。更に質の高いワインが味わえそうです。
城戸さんにもワイナリーイベントでいつもお世話になっております。




ワインとのすごいマリアージュが続きます。





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乾杯は、タケダ サンスフル デラウエア 2008。





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タケダ サンスフル デラウエア 2008-----タケダ会長のきゅうりと鮎のパテ。

デラの甘みと青みが鮎の青みと苦みに良く合いました。





続いて3本。



中澤 栗沢ブラン 2008 ----- あぶり帆立と芹のオレンジ風味

ワインの持つ柑橘の香りとオレンジ&セリの風味がバッチリ。すばらしいマリアージュでした。



酒井 小姫 2008 ----- 山形名物 芋煮をコロッケに

このマリアージュは素晴らしかったですねー。
芋煮の醤油の甘辛さとワインが良く合いました。
コロッケの衣が触媒になっていたと思うんです。



ルミエール 南野呂甲州 2008-----白茄子の味噌漬け 塩尻とのコラボ

甲府あたりの居酒屋で一升瓶といえば酒でなくワインなのですが、そんな1升瓶ワインって『ブドウで造った日本酒』みたいなニュアンスの味。これはなかなか言葉では伝えられません。
このワインもそんなニュアンスのワイン。
お食事番長は味噌漬けの麹がこのワインの甘みと上手くマリアージュしていたと語っています。




次のセットは



ドメイヌソガ シャルドネ 2e 2007-----おばあちゃんのタマネギムースと曽我さんのシャルドネ

ややバリックなワインってクリーム系と良く合います。
タマネギの甘みとシャルドネの酸が調和していました。




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城戸プライベートリザーブ シャルドネ 2007-----塩尻のトウモロコシの冷たいスープ

樽が強く効いているワイン。
この樽の使い方に関しては賛否があるところ。
でも、ミルキーなものと合わせるととても良い。
城戸さんのワインは食中酒としての可能性が大きいワインです。





ここから赤に。


四恩醸造 窓辺 赤 2007-----煮穴子と菊池さんの自然農わさび

お食事番長絶賛!!
ワインのフレッシュさ。煮詰めた甘辛さ。ワサビの鮮烈さ。
三位一体で素晴らしかったと....。


ルミエール 南野呂マスカットベリーA 2008-----サーディンの鰹まぶし 小山田さんのトマト

これは残念ながら未食。
なぜかワタシのところにはまわってきませんでした。
お食事番長が言うには、ワタシが話しに夢中で勝手にスルーしたと....。
そーだっけー? 






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キュムラ ピノ・ノワール2008-----鴨の薫製と貴彦さんの育てたサクランボ

このワインに付いては鹿取さんからblogに書かないようにと言われましたが....。
Cu-Calのこの会の告知に書いてありますからねー。
既に日本ワインLoverの多くが、(ワタシでさえも)昨年の秋にはこの情報は持っていますし、春には試飲した方の感想も頂いていましたし。
内緒にする必要性を感じません。

でも写真はヤメておきましょう。

まだ熟成がすすんでいないフレッシュなピノにサクランボはピッタリ。
鴨にも良く合いました。

熟成が進むとジビエに合う予感です。





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みんなのパエリア

お食事番長によると目黒のセロのスペシャリテがパエリアだそう。
でも今回の方が段違いに美味しいそう。
そりゃそうです。
造り手の皆さんがこの日の為に厳選した食材たちを使っているのですから。





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千代幻豚のロースト

旨味の強い豚です。
個人的には安曇野放牧豚のような野趣がある豚が好きですが、この千代幻豚は洗練された美味しさでなかなか美味しい。
ジューシーだけど脂が軽い、にもかかわらず旨味も強い。
焼き加減の良さもあってとても美味しかったです。






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ルヴァン ナチュレル ド ドメイヌソガ カベルネフラン2007-----小布施の茄子のお焼き風
これはお焼きが旨い。ワインが旨い。
マリアージュより各々の旨さを楽しんだのです。






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城戸プライベートリザーブ メルロー 2007-----信州牛モツのワイン煮込みとライスクラッカー
これは文句なし!! ライスクラッカーの香ばしいさもアクセントになってました。




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酒井 バーダップ スペシャルブレンド 2007-----高畠産の豚肉でスパイシー叉焼




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マスカットベリーA古木 2007-----マトンの山形バジルソテー
少しマトンが勝ちましたがベリーAが上手くマトンの香りを受け止めていました。






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料理とサービスは目黒キッチンセロ。素晴らしいマリアージュでした。

日本ワインの会のエントリーなのでワイン中心に展開させなきゃダメなんですけどね。マリアージュ主体になってしまったのはキッチンセロが素晴らしかったからです。

醤油や味噌を当たり前に食べ生活してる造り手のワインは日本の食に良く合う。食の傾向が造りに反映されるのは自然なことです。

キッチンセロのマリアージュはそんなことを気付かせてくれる良い提案でした。



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生産者の皆さんからアレコレいろいろ話しが聞けてワタシ的には大収穫。
とくに初めての酒井さんの人となりがわかって良かったです。

また、つよぽんの『映画への想い』には笑いました。
良いキャラだなー。

中澤さんのご近所(100km単位)には小さなワイナリーが出来ているそう。

タキザワのことかな? 松原農園だけじゃいないんですね。奥尻にもワイナリーがあるし。

北海道は注目ですね。

曽我タカヒコさんは余市はむしろ信州より冬が温かいと。

確かにニセコあたりは湿雪です。信州の方がシルキーですもん。ゲレンデとは違いますか?

産地はこれからどんどん北上するでしょうね。品種もドイツ品種からフランス品種に変わりつつあります。

参加者の皆さんとの会話も楽しかった。

東京で飲んでると良く合う方々。
松本で飲んでると良く合う方々。

ここでもバッタリ合っちゃったりして。
皆さん日本ワインに感心があるんですねー。



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この朝4時までgar.net連中と戯れていたメリメロ宗像シェフは飯田橋に帰ります。



ワタシたちも長野経由で松本へ。

とても有意義で楽しい一日でした。

日本ワインが益々身近になりました。






Cu-Cal    http://www.cucal.net/2009/

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2009/08/10

野村ユニソンのワインたち 野村ユニソナイト

神楽坂の外れにひっそりと小さな明かりを灯らせる wine gallery gar.net 。

この場所で行われた数々の実験的な目論みは、ワタシの中で既に芽生えていたワイン観のようなものをその都度決定付けてきました。



その gar.net も惜しまれながら今月末でフィナーレを迎えます。

うむむむ。

返す返すも残念。

いづれ場所を変えて再開との希望は聞いていますが、果たして....。

新店舗は物件すら決まらず、まだまだ五里霧中といったところなのです。

もっとも、gar.net店番タケダは長期のイタリア研修に出るそうで年内はバタバタでしょう。

来年の良い時期に何かのインフォメーションがあると良いなと思います。




そんな gar.net の、おそらく最後のイベントが先週末の金曜日に開催されました。

題して『野村ユニソナイト ファイナル』

良質な酒質。良心的な値付け。バラエティーに富んだラインナップ。

そんなナチュラルなワインに特化したインポーター 野村ユニソンの試飲会。

日本初輸入で通関したばかりのワインも幾つかあり、参加者大興奮の熱い夜になりました。


ただ、残念なことが1つ。

この日は入れ替えの2部制。

ワタシは19時からの早番だったんですけどねー。
そんな時に限って仕事が終わらず20時過ぎからの参加になってしまったのです。


残り時間1時間で16本+1本。
味わう余裕は有りません。

ダッシュ!!



まずは泡もの。



Saint Peray Extra Dry NV Les Chams Libres (新入荷)
ローヌ  Roussanne
発泡。リキュールを足さない。旨味(雑味)が多い。
好きだなぁ。




続いて、白。

Chablis 2007 Pattes Loups
ブルゴーニュ  Chardonnay
確か、danchuでシャルドネ大賞になったワイン。
ステンレス。
キレ。厚み。媚びること無く調和。






Unison1039


Donna Rosa 2007 La Visciola (新入荷)
ラツィオ Passerina
エチケットは奥さんのRosaさん。恐妻家ですな。
兼業農家。娘が2人。美人。
Visciolaは野生の山桜らしい。
まったり。オイリー。酸が支える。







Unison1040


Dinavolo 2006 (新入荷)
エミリア ロマーナ Malvasia Ortrugo Marsanne
果皮ごと醸す。マセラシオン1年!!
06はブドウにポテンシャルがあったそう。
ビオ香。スパイシー。
余韻が恐ろしく長い。

Dinavolo 2005 (新入荷)
エミリア ロマーナ Malvasia Ortrugo Marsanne
05はマセラシオン4ヶ月。
やや酢酸が強い。





Unison1041


Ageno 2005 La Stoppa
エミリア ロマーナ Trebbiano Malvasia
キュートな香り。
優しい。フレッシュ。
グレープフルーツ。






Unison1042


Ribolla Gialla 2004 Dario Princic
フリウリ Ribolla Gialla
味が濃いのに軽さも合わせ持っている。
山羊のチーズなんか良いかも。






Unison1043


Sancerre Auksinis 2007 Sebastien  Riffault
ロワール Sauvignon Blanc
SO2無添加。貴腐菌の付いたブドウも使っている。
酸化したようなニュアンス。
かなり攻めた感じ。動物臭。青い香り。
もう1度飲んで確かめたいです。




ここで、ロゼ。





Unison1045


La Folie Jevenile Petillant Rose 2007 Le Scarabee
ルーション Syrah Grenache Blanc
やはりスカラベは糞転がし。カブトムシではない。
若いシラー + 遅摘みのグルナッシュブラン。
キュート!!
夏だし、海なんかに行って飲んだら楽しいと思います。





ここから、赤。





Unison1047


Morgon 2007 Marcel Lapierre
ボージョレ Gamay
コレはSO2少量添加。次のワインは無添加。
酸が堅い。





Unison1048


Morgon Sans Soufre 2007 Marcel Lapierre
ボージョレ Gamay
やさしい。旨い!!
マルセルラピエールのMorgon、前輸入元で入れてた時とはキャラクターが変わったと思います。なんだかエレガントで女性的になったよう。






Unison1049


SP68 Vittoria Rosso 2008 Arianna Occhipinti (新入荷)
シチリア Nero'd Avola Frappato
干したブドウ。
フルーツポンチ。
余韻にはバナナ。
やんちゃなワイン。旨過ぎ!!



あと10分!!





Unison1050


Orcia Rosso 2007 Santa Maria
トスカーナ Sangiovese Grosso
タニック。力強く男性的。
既に完売。





Unison1052


Brunello di Montalcino 2003 Santa Maria
トスカーナ Sangiovese Grosso
北斜面。
上のワインよりエレガント。






Unison1051


Nebbiolo 2003 Case Corini
ピエモンテ Nebbiolo
ある種の揮発酸。
美味しい!! 旨い!!




再び、白。



Arbois Pupillin Chardonnay-Savanin 1999 Pierre Overnoy
ジュラ Chardonnay Savanin





たった1時間、なんとかゴール....。

一応、試飲はここまで。

で、最後まで辿り着いたご褒美でもう1本。


Cuvee Marcel Lapierre Marcel Lapierre
ボージョレ Gamay
流し込むように飲んでしまった!!
ウムムム。勿体ない。
少し落ち着いて通常の体温時に飲みたかった。





時間がないので味あわず、考えず。
なんとか最後まで走り抜けました。

申し訳なさと時間制限から気持ちが焦ってしまい大興奮状態。
たぶん血圧と体温がかなり高かった気がします。
汗が止まりませんでした。

でも、21時の回の皆さんが各々事情があって(お盆前ですからね。仕事の見切りが付かなかったのかも?)かなり遅れたので、一通り飲み切ってからはゆっくり過ごさせて貰いました。


おそらく gar.net 最後のイベントになるだろう野村ユニソナイト。

テンションアゲアゲで突っ走ることになってしまいちょっと残念。

こんな楽しいイベントにはもう2度と参加できないかもなんて思ったりして、何だか感慨深い夜になりました。


この後、最後まで残った皆さんは更に場所を移して飲み語らったらしいです。
(皆さんが移動したメリメロの宗像シェフに翌日軽井沢で会うことになるとは思いませんでした....。4時までですって!!)


ワタシとお食事番長は gar.net で知り合った皆さんのことをアレコレ話しながら帰宅。

楽しいけど少し寂しい、そんな夜でした。

野村ユニソン       http://unison-wine.com/

wine gallery  gar.net   http://blog.livedoor.jp/garnet1009/

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