お食事遠征 #07. 四国

2005/12/23

『 かめびし醤油 』 香川 引田

ウチでは醤油を主に2銘柄使っています。
1つは『カネモリ醤油』の『木桶魂3年』。
もう1つは『かめびし醤油』です。

調理で加熱するときは『カネモリ醤油』を使い刺身や豆腐など生食する時は『かめびし醤油』を使っています。どちらも本物のおいしさです。

香川と徳島の県境に近い引田という港町に『かめびし醤油』はあります。
4年前に一度行った事があるんですけど、その時は残念なことにお休みでした。
今度こそとの思いを秘めて再訪問してみました。

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景色や看板に見覚えがある国道11号線を車を走らせて行きました。
そして前回同様、港のあたりで道に迷いながら、誉田八幡宮の参道から真っ直ぐ、朱色に塗られた小さいけど竜宮城を連想できる美しい御幸橋を渡ったところにある『かめびし醤油』にたどり着きました。

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『かめびし屋』といううどん屋が蔵の中に出来ていました。
営業時間にぎりぎり間に合ったようです。
食の神様が降りてきたようなので、ここは迷わず入ってみました。

まず『もろみうどん』と『かまたま』を食べてみました。

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『もろみうどん』は醤油蔵ならでは。もろみとすりごまを豪快に混ぜてたべます。
この風味は一般的な讃岐のうどん屋には無い希有なもので興味深い味でした。

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『かまたま』はいつもより醤油をたっぷり使ってみました。醤油が生卵の甘みを引き出します。香川の卵は『土佐ジロー』のような白身に美味しさがあるものが主流ですね。

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『へんこつ部屋』という気になるスペースがあります。
聞いてみたらダシが2種類とかえしが有り、味を自分で調整できるのだそう。
早速、うどんを茹でてもらい『へんこつ部屋』に行ってみました。

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木桶の中にダシが入った大徳利が2本湯煎してありました。
1つが『がんがんいりこダシ』、もう1つが『かつおとこんぶの白ダシ』です。
この2つとかえしを自分好みでブレンドしてうどんにぶっかける訳です。

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『がんがんいりこダシ』:『かつおとこんぶの白だし』=3:1が良いとの事でしたが、個人的には『がんがんいりこダシ』:『 かつおとこんぶの白ダシ』=10:1か、『がんがんいりこダシ』のみが良いなぁ。いりこの爆発するような旨味がイイんです。

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ここのうどんも残念ながら熱に弱い。
壁に『さぬきの夢2000』を使用と貼紙があります。この小麦がどうやら熱に弱い様です。

今回行った讃岐のうどんに共通するコシの無さは『さぬきの夢2000』が原因なのかなと思いました。前日に行った『宮武』は麺の色が緑がかって他とは違いましたけど。

うどんを食べながらも主役の醤油が美味しかった事が良く理解できるので、うどん屋『かめびし屋』は良い企画だなあと思いました。

『かめびし屋』から出て、道を挟んだ棟に醤油を販売するスペースがあり全ての製品のテイスティングが出来ます。

ここでいろいろ興味深い話しを聞かせて頂き、来てみてホントに良かったと思いました。

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工場内見学に誘って頂いたのですが、残念ながら時間切れ。

再々度の訪問を約束し、鮮烈で澄んだ花の様な香りの『3年なま醤油』と、エグ味が全く無い、澄んだ旨味の『だし醤油』を手に高松空港へ急ぎました。



かめびし醤油
香川県東かがわ市引田2174
0879-33-2555  
フリーダイヤル:0120-1753-25
http://www.kamebishi.com

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2005/12/20

『 石鎚 純米大吟醸 槽搾り 』

松山から高松への帰り道、寄り道して石鎚酒造さんを訪問してしまいました。

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酒蔵はこの時期大変忙しいのにもかかわらず訪ねるなんて極悪非道なエゴイストですよね。

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でも石鎚の方々は急な訪問者を快く迎えて下さいました。

いくつかの酒を冷蔵庫から出して頂き、ラベルを糊で貼って持ってきて下さったんですよ。

もちろん必要以上に手間を取らせる訳にはいきません。
すぐに出せるお酒だけ分けて頂いて、帰ってから試飲してみました。

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『石鎚 純米大吟醸 槽搾り』はやや辛口でありながら甘みもある酒です。

山田錦の軽やかで華やかな果実香が口に広がり、澄んだ水をイメージする事ができる透明感があります。


山田錦の大吟醸って華やかで美味しいけど飲み応えがなく物足りなかったりしますよね。でも、このお酒はそんな事はありません。

ちょっと苦みにも似た後味が香りと味に芯を作っている気がします。
これは掛米、松山三井がもたらした効果のような気がします。

お汁粉って塩を入れると味が締まって甘みが増すように感じますよね。
あの塩の役割を松山三井がしているのではないのかな?と、思います。

石鎚酒造のwebを見てみたら松山三井は地元の農業集団飯盛会が減農薬で栽培したものだということ。良い米の生産者が地元にいるのは心強いでしょうね。

口に含んでから奥に流していくと華やかな香りとパンチのある味が膨らみます。
食前、食中、食後と飲む時を選ばない上質のお酒でした。

あと、『 夏吟 』と『 大雄峰 』を分けて貰ったんですけど、その味見はお正月にでもゆっくりとしましょうかね。お預け状態がガマンできればの話しですけどね....。

『 石鎚 純米大吟醸 槽搾り 』
麹米 山田錦40%
掛米 松山三井50%
酒米をすべて限定吸水手洗いし、総米600kg
で仕込んだ吟香のゆたかな純米大吟醸酒。
【日本酒度】+4.0
【酸度】1.5
【使用酵母】蔵内自家培養酵母
【醸造年度】平成15BY
アルコール分17度以上18度未満
酒質の保持の為、保管は冷暗所でお願いします。

醸造元 愛媛県西条市氷見丙402-3
石鎚酒造株式会社
URL  http://www.ishizuchi.co.jp
出荷年月 H17.12

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2005/12/15

『谷川米穀店』  さぬきうどん  琴南

『谷川米穀店』は、その名のとおりお米屋さんです。
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11:00-13:00まで2時間だけうどん屋さんとして二毛作で営業しています。

2つの川が合わさり1つの川になる、その谷の真上にあります。

4年ぶりの再訪になりました。

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朝、10時をちょっと過ぎたころ到着。
橋の袂から細い坂道を降りるとすでに6人程並んでいます。

谷から吹き上がる風がとても冷たい。気温6℃。

お店は震えるお客を察してか10:30に始まりました。

お店のおばちゃんが1人増えて4人いました。

ここにはおダシはありません。
温かいうどんor冷たいうどん。温かいそばor冷たいそば。それだけです。
温かい麺は茹での途中で上げてしまいます。
冷たい麺は終いまで茹でてから水でさらし洗いして上げます。

後は醤油をかけたり、すだちを絞ったり、青唐辛子の佃煮を乗せて混ぜたり。
いろいろ好きなように食べます。


まずは『卵(30円)』と『温かいうどん(105円)』を頼みました。かま玉で一杯目。
うーん、この卵は何気に美味しい。土佐ジローのような白身が美味しいタイプ。


『温かいうどん(105円)』に『青唐辛子の佃煮(無料)』と『すだち(無料)』。
うどんに青唐辛子を乗せすだちを絞ってから混ぜて食べます。

この食べ方って他にやってるとこあるんでしょうか?
4年前に来たとき、こんな食べ方があるのを始めて知りました。
その時は『青唐辛子の佃煮』はおばあちゃんの手作りだって聞きました。
以前よりチョットだけ辛いような気がします。

ワタシは半分まで食べたところで醤油を入れて味を変えて食べます。

何だか『温かいうどん』に以前のようなプリプリしたコシがありません。
たおやかでコシの強さがあり弾力に富んだうどんだったはず。
透明感がありながら小麦の香りが豊潤で、すべるような喉越し。
と、4年前は奇跡としか思えないクオリティだったんです。

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『冷たいうどん(105円)』を頼みました。
水でシメれば食感が楽しめるはずです。

やっぱり『青唐辛子』と『すだち』を使ってたべます。
少しコシを感じることができましたがプリプリ感はありませんでした。


『冷たいそば(115円)』
『宮武』のそばのような個性が感じられず印象に残りませんでした。

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水が良く、打ち手の技術はピカイチと信じて疑わない『谷川米穀店』です。
やっぱり『小麦粉』に問題があるような気がします。

問題は『さぬきの夢2000』では?
疑念が頭をもたげ始めました。

まぁ、それでも美味しいんですけどね。


谷川米穀店
香川県仲多度郡琴南町川東1490
8077-84-2409

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2005/12/14

『宮武』 さぬきうどん 琴平

4年ぶりに、さぬきにうどんを食べにきました。

4年前に行ったのは『なかむら』『谷川米穀店』『山内』『おか泉』でした。

今回は前回行かなかった『宮武』に行ってみました。

琴平から車で5分位。駐車場も広くて解りやすいところにあります。
前回迷いに迷った『なかむら』とは大違いです。

朝9時、すでに駐車場には車が5台停まってます。店の前の路上にも3台停まってます。
ナンバーから半分は地元の人がきてるのが解ります。
あとは大阪、神戸、名古屋、山口と結構遠くからもきています。

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中に入ると『何にするか決まったら教えてな』と店の大将が声を掛けてきました。

うどんは大・中・小と量が3通りあります。

おダシをかけるうどんは大・中・小の他に麺が熱い『あつ』・冷たい『ひや』とダシが熱い『あつ』・冷たい『ひや』が選べます。

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まず『ゲソ天』を自分で皿に乗せ運んでおいてから、『うどん小』を頼み、出てきたら自分で薬味を乗せてからテーブルに運びます。

少し緑がかった色のうどんです。

青ネギを乗せてから醤油をかけて食べました。
プリプリした食感が美味しい。

以前読んだ『さとなおさんの記事』では
「固く重い麺。この重量感は生半可ではない。ちょっと縮れた麺は自己主張が激しく口の中で暴れまくる。」
と、97年9月に書かれているのですが、そんな感じじゃなくて、むしろ女性的なやさしい麺だと思いました。

また小林遼次さんの『大阪と関西のB級グルメガイド』の記事では
「コシが前面に押し出された、やや黄色みがかった手切りの無骨な麺と、さっぱりしたエグみの少ないイリコダシが特徴的。」と、書いてあります。

私には麺は黄色ではなく緑に見えました。

冷たい麺に温かいおダシをかけるとコシがなくなります。熱に弱いらしい。

これらのことから考えると小麦粉を換えたのではないかな?と推測しています。

『ゲソ天』は『なかむら』のほうがおいしかったなぁ。

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『ひや・あつ』
この朝は気温7℃位しかなかったので『ひや・ひや』は寒くて無理でした。ほんとは食感が良く判って美味しいんですけどね。

しかし、ここのおダシは美味しい。多少の化調は感じるがエグ味が無くおいしい。
以前行った『山内』のおダシはエグ味が強くて冷たいうどんに醤油しか美味しく食べられなかった。

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『うどん小』をもう1杯。
今度はテーブルに置いてある生姜をおろしがねで摺って入れてみました。
『うどん』の甘みが感じられて美味しいな。

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『そば』
店内に貼ってある「そば始めました」の貼紙を見てしまっては頼まないワケにはいかないでしょう。

関東でいう『そば』とは別物。
小麦粉とそば粉を混ぜてるのでしょうかね。
結構そば粉が多いような気がします。そば:小麦=6:4位かと思いました。

『うどん』と同じ太さに切ってあります。長さも短い。

意外なことにココのおダシにはこの『そば』が美味しい。
喉越しはザラっとしますが、噛んで食べるなら『うどん』より食感があって美味しいと思っちゃいました。

「このおダシには『そば』のほうが合うねっ!!」
そう大将に告げてから次のうどんを目指し移動しました。

宮武うどん店
香川県仲多度郡琴平町上櫛梨1950-3
0877-75-0576

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2005/12/13

『せんざんき』  鳥林 今治

先週末にちょっと松山に用事があり、ついでに香川と徳島あたりをウロウロしてきました。

まず、夕方までで用事を済ましてから、夜、今治へ。

『銀の月』という古民家を改築した隠れ家和風ダイニング。
〆で頼んだ宇和島産の鯛を使った鯛めし以外はあまりおいしいものがなかった。

なんだか納得いかずにモヤモヤ感が残ったので『五味鳥』という焼き鳥屋へ。

今治の焼き鳥は鉄板の上で焼き鳥を焼く鉄板焼きです。
上からも熱した鉄板を乗せて上下からプレスします。

これを最初にやった元祖今治スタイルの焼き鳥屋が『五味鳥』です。

しかし、ここは満席で入れませんでした。
なんだか店の人の対応も良くない。澱んだ目がこちらを無言で見ています。
厄介扱いされてる感じがしたのでサッサと出ました。

気持ちが萎え始めてましたが、もう一軒だけ行ってみる事にしました。

で、今治駅から近い『鳥林』へ。

ここもほぼ満席だったのですが、近所の人らしきオジサンが『こっち座れる!!』と大声で教えてくれました。

鉄板を囲んだLの字型のカウンターは狭い店内に目一杯拡げて作ってあり「後ろちょっと通して」なんて言いながら壁とお客の背中にぶつかりながら一番奥の席に座りました。

「なんにしよっ?」大将は軽いノリです。
店内はほぼ全員が常連さんらしく鉄板をはさみお客同士の会話が飛び交います。
活気が溢れていてなんだか気持ちが高揚します。

『せんざんき』、『皮』、『れんこん』、『鳥ねぎ』等々注文しました。


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『せんざんき』
『せんざんぎ』と濁っても良いらしい。北海道でも『ざんき』とか『ざんぎ』とかっていうらしいです。
鳥を骨ごとぶつ切りにして下味付けてから小麦粉と卵付けてあげるもの。
早い話が骨付き唐揚げです。アジシオふってジャンクに食べます。



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『皮』
焼き鳥の鳥皮に少し身が付いたモノを串に刺さってない状態で鉄板で挟んで焼きます。
身がガムの様になっていてクチャクチャかんで飲み込みました。
やっぱりアジシオを降ってジャンクに食べます。

『れんこん』
1cmくらいの厚さで切って穴に鶏肉を詰めて鉄板で上下から焼きます。
しゃくしゃくモッチリです。


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『鳥ねぎ』
東京で言う『ねぎま』のことです。やっぱり鉄板で上下から挟んで焼きます。

満席状態で新しいお客さんがやってきました。
となりに座って近所のオジサンと飲んでいた常連さんが「コッチ座って!!」と言って席から立ち上がりました。
「帰るのかなー?」と思ったらそーじゃなくて、
クルリとタオルを頭に巻いてビール運んだり注文とったりと店の人になってしまいました。

大将は生ビール飲み顔を真っ赤にしながら鉄板で鳥を焼いています。
すっかり店の人になってしまった常連さんも生ビール飲みながら生ビール運んでます。

「楽しいぜ!! 鳥林!!」

活気があってお客と大将みんなが優しいジャンクな店。
死ぬ程食べて2000円ちょっと。

たまにこんなトコにくると楽しさが爆発しますね。
私の中での今治の印象は、楽しい人の多い街になっちゃいましたよ。

鳥林
愛媛県今治市南大門1-6-21
0898-32-1262

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