春を待つワイナリー ココファームを訪ねて
ちょっと前の話しです。
栃木は足利にあるココファームへ。
行きたかったけどなかなか行くチャンスが無かったワイナリーです。
ずーっと前に亡くなているワタシの祖父が栃木だったりして、いまでも親類縁者が栃木にはたくさんいたりします。
そんなこともあって、栃木ならいつでも行けると思ってはいたのですが....。
まぁ、そう思うとなかなか行かなかったりしますよね。有りがちな話しです。
ココファームはこころみ学園が運営するワイナリー。
こころみ学園の知的なハンディを持つ人たちの自立を目指してつくられたワイナリーです。
近年は味の良さから日本の代表的なワイナリーの1つと言われるようになりました。
ワタシ的には、中野坂上 藤小西での ブルース・ガットラブ 氏のセミナーに参加したり、渋谷 bongout noh での日本のヴィニュロンの会でワイナリーの方に話しを聞いたりしていて、ずーっと興味を持ち続けていたワイナリーです。
(参照:2010/01/25 農業としてワインを醸す日本のヴィニュロンたち)
(参照:2008/03/24 COCO FARM & WINERY 試飲会 藤小西 中野坂上)
(参照:2008/01/27 蔵出しワインの夕べ 日本ワインとその造り手たち)
この日は東武線ではなく両毛線から足利のココファームに向かうことにしました。
途中で祖父の家があった大平下駅を通過します。
例によって twitter でつぶやきながらの移動です。
両毛線の車窓に採石場とぶどう棚。そーいえばじいちゃん家の周りは大きなぶどう園だった。夏は納戸のカゴを持って巨峰とデラをとった。昔からぶとうは身近だったことを今日思い出した。 1:02 PM Feb 7th
祖父の家の近所には大きなぶどう園が幾つもあり、生食用のぶどうを栽培したり、ブドウ狩りが出来る観光ぶどう園だったりと結構な面積の畑がありました。
夏休みになると一番近所のぶどう園でブドウ狩りしたり遊んだり。毎年夏の恒例行事でした。
子供の頃はぶどうが身近だったこと、車窓の景色から突然思い出しました。
やがて足利駅に到着。
足利駅からココファームまではタクシーで15分ほど。
山の麓にココファームはありました。
ココファームなう。 #nihonwine http://moby.to/iy4t0y 1:35 PM Feb 7th
ウワサの急勾配の畑。
一番上の斜度に唖然。
八方尾根の黒菱ゲレンデより急勾配。
八海山の正面、チャンピオンコースの滑り出し位の斜度です。
(あの滑り出しのコブ3つはいつ滑っても怖いです。)
畑の中は立ち入り禁止だけど、舗装した道で一番上の見晴し台まで行けるということ。もちろん歩いてみます。
畑の横の路面は所々凍っていました。
その道を少し滑りながら上がっていきます。
カベルネソービニョンの畑。
木と木の間隔はかなり広いのですが....。
その仕立てに正直、ビックリ。 と、言うか衝撃です。
更にタナの畑。
もう絶句。屋根のアンテナかと思いました。
園長先生に敬意を払いながら、この畑のワインを美味しいものに作り上げる ブルース・ガットラブ 氏の手腕は如何ばかりかと。
少し上ったところにあるリースリングの古い樹の根本は直径で55cmあります。
ぐるぐるの種枝。
とても古い木です。
木の向うに足利の街が見えます。
途中、ココファームのもう1つの生産物、椎茸の栽培が雑木林の中に見えました。
畑の上の見晴し台なう。 #nihonwine http://moby.to/yxwv84 2:12 PM Feb 7th
関東平野の一番端っこ。
夏は平野部の暖かい空気と山間部の冷たい空気がここでぶつかります。
つまり、毎日15時には激しい雷雨が有るのです。
この斜度で激しい夕立があったら滝のように水が落ちる気がします。
山の麓をトレースして走る両毛線は雷の巣窟です。
雷が激しい日は東武線も両毛線も止まってしまいます。
子供の頃の夏休みの思い出は雷のことがとても多かったりします。
今日の足利は都内より暖かい。4℃くらい高いかも。 2:24 PM Feb 7th
平野部で温められた空気が風で吹き上がってきたのでしょう。
山の畑はダウンジャケットがいらないほど暖かかくて汗びっしょりになりました。
杉の木も花粉を飛ばす直前です。
ポカポカして気持ちよかったのでしばらく展望台でまったり。
ベイリーAのまだ若い木を見て過ごします。
やがて、少し日が傾いてきたので下に降りることにしました。
で。折角のワイナリーなのでワインを飲むことにしました。
ワイナリーはやはり電車が一番です。
農民ロッソ、農民ドライ、北海ケルナー、風のルージュ。ギザうましす。 3:23 PM Feb 7th
併設されているカフェでいろいろ頂きます。
ココファーム、急に突風がふいてきた。作業してる人が棚のワイヤーに捕まってる。 2:59 PM Feb 7th
カフェでワインを楽しんでいた15時。
剪定を行っている学園生の方がワイヤーに掴まってしまうほどの強風が吹き始めます。
急勾配の斜面で強風なんて。
ワタシならしゃがみ込んでいたでしょう。
この畑で働けるほどの根性はワタシにはありません。
風向きが変わり気温が一気に下がります。
それでも、黙々と剪定作業が続けられていました。
帰る前にちょっと面白い話しを聞きました。
ココファームで聞いたワタシ的ビックニュース。大平下でも数年前からワイン用品種の栽培を始めてるって。ワインを造るそうですよ。ココ用に契約栽培の話もあるそう。以前の巨峰の畑は草一本はえてない栽培だったんだけどね。 5:28 PM Feb 7th
あの祖父の家の近所のぶどう畑。あそこでワインを造るそう。
これはびっくり。
ココファームとの契約栽培の話しもあるようです。
これは従兄弟たちに聞いてみなくてはいけません。
語尾が上がる栃木訛で教えてもらいましょう。
ちょっとワクワクします。
初めて訪れたココファーム。
学園生の自立の為に開墾されたぶどう畑なのだということ、古い木を見ると改めて感じます。
また、学園に新しい醸造技術を持ち込んだ ブルース・ガットラブ 氏が園長先生をとてもリスペクトしてることもぶどう畑を見るとよくわかります。
この畑を訪れた様々な方が畑の斜度をホームページやblogにしていますがなるほどな急勾配。
イタリアやフランスには急勾配の畑はありますが日本ではとても珍しい光景です。
でも1番驚いたのは標高差。これには斜度より驚きました。
たぶん100mくらいあるはず。
この標高差だと上と下では収穫日が大きく異なるはずですが....。
上に植えてあるのは早熟品種ベイリーA。
下にあるのが晩熟品種のカベルネソービニョン。
標高差を逆手にとって収穫日をコントロールしてるようです。
いろいろ工夫をしています。
やはり実際に現地に行ってみるとインターネットで検索する以上の情報が畑にしっかり書き込まれています。
もっと早く来れば良かったとあらためて思いました。
『学園生の為の畑』は『ワインの為の畑』。
ココファームとこころみ学園はしっかりと整合性を持って成立しています。
この畑を開墾した学園長の行動力に敬意を贈りたい。
とても良いものを見せてもらいました。
ワタシ的には車窓の風景で子供のころからぶどう畑が身近な存在だったことを思い出せたのが良かった。
これからはココファームのワインに祖父や祖母や近所のぶどう園を思い出しそうです。
ココファーム&ワイナリー http://www.cocowine.com/
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