地場産小麦が香る 打ち立てうどん エン座
ワタシが注目しているblogには必ずと言っていいほど登場する武蔵野うどん エン座 。
このエン座。地場産の農林61号と練馬野菜にこだわっている地産地消の店と聞いていたので興味津々ではあったのです。
開店時間に遅れること5分。
もう少し遅かったら外で並ぶことになっていました。
この日は練馬大根を練り込んだ大根麺の日だそうで、地場産の農林61号に練馬大根の葉を練り込んであるそうです。
大根麺なんて経験したことありません。
どんなメニューで食べたら良いのか?
少し混乱。なかなか注文が決まりません。
どこかにヒントはないかと店内をキョロキョロ。
平日は 讃岐 木下製粉 と 農林61号全粒粉。
土日は 大泉 石神井 片山産 農林61号。
なんて書かれた張り紙が目に入ります。
讃岐の製粉所からも取り寄せているということは讃岐の夢2000かな?
(帰宅後にHPで ”讃岐すずらん” と知りました)
ワタシのホーム、経堂 季織亭は全粒粉の小麦をうどんのような技法で手麺にしている店です。
この季織亭の探究心のお陰で様々な小麦を味わう機会に恵まれてきました。
今まで味わった中では はるゆたか と 農林61号 に カナダ産オーガニック小麦がワタシのお気に入りだったりします。
うどんといえば讃岐だったりしますが、ワタシもご多分に漏れず、2001年と2005年にうどん店巡りをしたことがあります。
2001年は讃岐のうどん店の多くは農林61号を使っていたと記憶しています。ところが2005年に再び讃岐のうどん店巡りをした時は讃岐の夢2000が主流になっていました。
正直、讃岐の夢2000という小麦がわかりません。
讃岐の人が好きな食感....、”うどんは小麦の刺身”ってことには合ってると思うのですが。
関東人には農林61号やカナダ産オーガニックの少し芯がある食感と香りのほうが馴染めたりするもので....。
『一番おいしいうどんってどこ?』
讃岐うどんブームの頃にいろんな方によく聞かれました。
讃岐に行った方ならわかると思うのですがこの質問ってすごく難しい。
どの店も素晴らしく美味しく、どの店も個性があるから....。
『一番はどこ?』なんて胆略的に聞いてくる人って大抵そそっかしい人なので、そんな人に誤解されないように話すってことも大変です。
『全部おいしい』としか言いようがありませんよね。
『印象に残る店はどこ?』なんて聞いてくれたら自分勝手に言えるかな。
2001年は 谷川米穀店。
女性的。(同じ日に山内にも行ったので余計にそう思った)
水の良さを感じるたおやかなうどん。
おばあちゃんの葉とうがらしの佃煮と黄色くなったスダチを合わせる食べかたが新鮮でした。
2005年は 宮武 。
どなたかの書いた本の影響でダシとゲソ天が注目されがち。
2005年のこの日はやや緑がかった麺にビックリ。
風味と食感が素晴らしく、麺そのものがパーフェクトな美味さでした。
(2009年6月。体力の限界から閉店したそう。惜しいですね。)
『今は?』と聞かれたら....
『広島の地粉うどん わだち草 。』と。
讃岐ではないんです。
芸備線の玖村という駅の近く(?)にある わだち草 。
農業を営んでいる母上が栽培したオーガニックの農林61号を息子さんであるこの店の主が手打している店です。
農林61号の香りと風味が素晴らしい。
なにより食感が関東人のワタシに合うんです。
讃岐に近い広島では微妙な気もしますが。
この店の為だけに広島に行っても良いかなと思うくらいホントに美味しい。
実際、ワタシは再訪問しています。
(参照:2006/12/12 小麦を育てる 自然派うどん わだち草 広島)
しかも、2度目は岡山に用事があったのにわざわざ広島空港から入り、アノ空港の不便さを再度味わいましたし....。(広島空港と鹿児島空港はマイレージを3倍つけて下さい)
しかし、わだち草に行くためなら、遠くても、不便でも、早朝便に乗ることにも、躊躇はありません。
美味しい うどん は しばしばワタシを狂わせます。
話しをエン座に戻しましょう。
大根麺を生かす注文をしたいのですが、経験したことないので見当がつきません。
とりあえずカラダを温めようと。温かいうどんを注文することにしました。
きざみうどん
きざまれたネギと油揚げのうどん。
おろした練馬大根が添えられています。
微量のごま油と刻みショウガで風味の楽しい料理になっています。
温かけ
天かすと生姜が風味を膨らませています。
やはりおろした練馬大根が添えられています。
うどんの味をシンプルに楽しむならこちら。
麺に練り込まれた大根の葉の香りや風味は見た目ほどではなく、注意深く利かないと感じないかも。
ちゃんとした料理になっているかけうどんです。
うどん自体は谷川米穀店の食感よりややコシがあるかな。
京都の寺で精進としてうどんを修行した 経堂 花坊さんよりはもうずーっとコシが強い食感。
”小麦の刺身”が信条のうどんと比べると少しコシが強いです。
讃岐に関東の食感を与えた感じかな。
逆にタフなうどんに馴れている関東人、特に北関東の山間に近いうどんに馴れている方には少し驚く食感かもしれません。(母方がそちらなのでそう思います)
冷たいうどんならもう少し腰が出そう。
そんなワケでぶっかけおろしを追加でお願いしました。
やはりコシを楽しむならこちらです。
小麦の甘みがたまりません。
練馬大根のおろしも甘くて美味しい。
やはり、ごま油と生姜が少量使われています。
とても官能的なうどんです。
『お酢をかけても良いんですよ』と、案内があったので半分ほど食べたところでサッと一掛け。
冷やし中華的なニュアンスでもあるのですが、ワタシ的にはナゼか谷川米穀店の黄色いスダチを絞って葉とうがらしの佃煮を入れただけの素うどんを思い出しました。
どのうどんも1つ工夫があり、感じる人には料理に昇華していると感じさせてくれます。
でも、サンダル穿きで暖簾をくぐるような気さくな感じ。
どこか、ワタシのホーム 季織亭に似た雰囲気。
もっと早くくれば良かったと心底思ってしまいます。
それに少し通わないとこの店の骨頂はわからない気もします。
カウンター前の棚には悦凱陣の一升瓶が並んでいます。
なるほど、これで酒が飲めたら最高ですね。
凱陣は飾りかな?
飲めるかどーかはわからないけど、予約制という土曜日の夜にも来てみたい気分です。
エン座
http://www1.ocn.ne.jp/~chiyomom/enzaHP/
文中に出てくる他店
わだち草
http://www.geocities.jp/wadachisou/
谷川米穀店
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