ワインギャラリー gar.net 集う皆さんと語らう
いよいよ最後の日がやってきてしまいました。
短い間でしたがワタシが愛したワインギャラリー gar.net 。
本日をもって閉店です。
○ タイムシェア型店舗というゲリラ的営業スタイル。
○ 『攻めたワイン』をバンバン飲める。
○ ボトル売りはせずにグラスのみの提供。
○ シェアワインという他に類をみない独自の持ち込みスタイル
まったくオリジナルで特異なスペースでした。
ワタシは添加物の多いワインが苦手です。
SO2は正直カラダに馴染みません。
ワイン通の方にこれを言うと、『そもそも自然界に存在していて、使わなくてもワインに入っているって知らないの?』とか。
『昔から使っているものを否定するなんてバカじゃないの』とか。
『10年寝かして上澄みだけ飲めば良いの。熟成させない安いワインなんてワインじゃないんだよ』とか。
まぁ、いろいろ言われて虐められるのですよ。
ワタシも昔から使っていた二酸化硫黄なら問題ナイんです。
でも近年使う亜硫酸塩はイケません。
もちろんSO2がワインを清澄させることも知っていますが....。
ボルドーやブルゴーニュの偉大なワインも一時期かなり飲みましたが、美味しいとは思う、いやホントに美味しいのですが、自分のワインではないなーなんて思ったりするんです。
そんな折も折り、荻窪のご近所イタリアンBel Soleで何気なく飲んだ SASSAIA に心を奪われることになります。
フリウリの地ブドウを果皮ごと醸したそのワインは、見た目にも濁っていたし独特の匂いや味がありましたが、スーっと染み込んで....。
そんな経験したことなかったのでホントにビックリ。
なんかねー、飲んだ瞬間にピンときちゃって。自分のワインだなーって思ちゃったのです。
そのワインの輸入元 ヴィナイオータ(Vinai Ota)さんから逆に辿って出会ったのが gar.net でした。 (住所が非公開だったので1回目の散策では発見出来ませんでしたが....)
ワインのアウトサイダーだったワタシが gar.net では普通の人。
同じ方を向いている人がたくさんいることにホントに驚きました。
店もお客も余計な説明がいらないのです。
言い訳も一切なし。
素っ気ないほどに蘊蓄を削ぎ落とし、頭ではなくハートで楽しめる。
なんとも楽しい時間だけが待っていました。
ここに集う皆さんとスポーツや音楽の話しをしながら飲むのが好きでした。
一方でマイノリティ側のワインに特化してるインポーターさんとの試飲会やセミナーなどのコラボ企画をゲリラ的に開催。
値段や名前や、ましてや格でなく、付加価値に頼らないワイン感はこの場所で培われたような気がします。
gar.netが活動したこの3年は偶然にもワインラバーの人々の嗜好が変わり始めた3年でもありました。自然派と呼ばれる造り手の台頭です。
3年前にマイノリティだったインポーターさんたちのワインたちは、今や時代の寵児のようにワイン専門誌をはじめ、danchu、hanako、anan、等々、一般誌で特集されるようになっています。
gar.net は時代や嗜好が交差する過渡期に明かりを灯す灯台のような存在だったかも知れません。
あるいは、クロスロードに置かれたマイルストーンみたいなものだったかも。( Robert Johnson みたいに魂を渡したりはしませんが....)
今夜は最後のゲリラ活動。
Vinai Ota さんのヴィナイトです。
なのでレギュラー営業は昨夜が最後ってことですね。
この場所に集う皆さんと名残惜しみながら楽しいひと時を過ごしました。
gar.net は今夜閉店します。
お客もいて。ほどほどに健全経営で。
(儲けの薄さから税理士さんは オー マイ ガッ だったそうですが)
それなのに閉めなければならないのはなんとも残念。
でも、戦うことより慈悲を選んだのはアナタらしい選択です。
店番タケダさん、ホントにお疲れさま。
感謝をたくさん贈ります。
きっとまた会いましょう。
(3日に会う気もしますが....)
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コメント
gar.net..伺えずに、その幕は閉じてしまったんですね。。(涙
フットワークが重かったことが悔やまれます。
が、自然な造りのワインを愛する人々が集う、自然体なお店なんだろうな。。と想像を巡らせながら未体験の空間に想いを馳せています。。
惜しまれながらも消えていくお店。。でも決して忘れられない心の記憶として残りますね。
投稿: ぶどう | 2009/08/31 14:02
ぶどうさん、第2幕が上がります。
少しの間お待ちください。
投稿: bleu et rouge | 2009/08/31 14:06
こんにちは。とてもいい記事ですね。
昨日のおかたづけを過ぎ、
今日になってようやく拝見しました。
本当にいい記事で、コメントしようがありません。同感です。
投稿: hane | 2009/09/04 12:24
heneさん、昨夜はお疲れさまでした。
掃除させて頂けるまで受け入れて下さってホントに嬉しいです。
あんなふうにDVD見てるだけでも楽しいものですね。
まだまだ続きがありそうですし。
投稿: bleu et rouge | 2009/09/04 13:44