マッサ・ヴェッキアnight 循環する農民のワイン
トスカーナはマレンマ地方の造り手マッサ・ヴェッキア。
このマッサ・ヴェッキアを一言で紹介するなら、循環型農業を実践している家族経営の農家。
堆肥を作る為に牛などの家畜を飼い、その動物たちには自家で無農薬有機栽培で育てた牧草を与えているそう。
施肥は少量づつ。3年かけて畑全面に戻し、ぶどう、オリーブ、とうもろこし(ポレンタ用)、麦、野菜などを育てているんだそうです。
たぶん、1番お金になる生産物はワインだと思うのですが、そこに欲や執着がないらしく、驚くべきことに、カベルネとメルローの畑を処分してしまったそう。
この農場を訪問した gar.net 店番タケダによると、「完全な循環を成すためには少し持て余してしまうから」と、その理由を聞いたそう。
とても興味深いエピソードです。
そんなマッサヴェッキアのワインは全くの農産物。
農民が"そのまま""そこ"に立っているかのよう。
確かな芯の強さを感じます。
しかし、誇張したり飾ったりは一切有りません。
そんなマッサヴェッキアのワイン、21本+エクストラ1本を飲んじゃおうという強烈な試飲会が開かれました。
19時から21時までの第1部。21時から23時までの第2部。
いつものワインギャラリー gar.net で入れ替えの2部制で開催されました。
さらに飯田橋メリメロに場所を移して、深夜から朝までの第3部もありましたが、ワタシは翌日に重要なイベントを控えていたので1部のみの参加です。
この日のワインは....
Bianco 2005
Bianco 2004
Bianco 2003
Ariento 2002
Ariento 2000
Ariento 1999
2002年までArientoだった白ワイン。
ヴェルメンティーノ主体でトレッビアーノとアンソニカなどの地ぶどうで造られた白ワイン。
2002年のマルヴァジーアを混ぜ、2003年からBiancoと名を変えました。
Rosato 2005
Rosato 2004
赤ワインにしか見えないがロゼ。
形に拘らないのが素晴らしいと思います。
Rosso 2004
Rosso 2003
La Fonte di Pietrarsa 2001
La Fonte di Pietrarsa 2000
La Fonte di Pietrarsa 1999
La Fonte di Pietrarsa 1998
2000年までカベルネソービニョン100%。
2001年にメルロー主体のワインになり、02年からRossoと名を変えました。
La Querciola 2004
La Querciola 2003
Poggio a Venti 2002
Poggio a Venti 2000
Poggio a Venti 1999
2000年までサンジョヴェーゼ100%。
2002年よりアリカンテが混ぜられ、2003年よりLa Querciolaに名を変えました。
Patrizia Bartolini 2002
ソーヴィニョン100%。現在は造られていない白の甘口ワイン。
Il Matto delle Giuncaie 2000
アレアティコ100%。赤の甘口ワイン。
追加
Vin Santo
210本しか造らなかったヴィンサント。
しかし、よくこれだけのものが集まりました。
これを全て試飲すると1本以上飲むことになります。
しかも、全部飲んでも8000円。
インポーターのオータ氏も店番タケダも過不足なければ良いということなのでしょう。
化粧っけはないけど、どこかとてもキュート。
キレイに化粧を施すワインが多い中、この素っ気なさには逆に芯の強さを感じます。
1つ1つのワインについてワタシなりのコメントもあるのですが、書く気になりません。
出来の良かった年も、残念ながら不作だった年も、どのワインもマッサ・ヴェッキアらしいのです。
それよりもなによりも、スケールの大きいマッサ・ヴェッキアを小さいところで語りたくないです。
この日、この gar.net で、楽しい時間を共有した皆さんと、最後の Vin Santo を開けるか開けないかの多数決。
で、やっぱり、開けることになりました。
最高の Vin Santo で余韻に浸ります。
マッサ・ヴェッキアの垂直&水平。
全部で22本。
素晴らしい夜でした。
こんな幸せな時間を与えてくれたワインギャラリーgar.net。
とても残念なのですが、この興味深い場所は8月末に無くなります。
一期一会のワイン。
皆さんと共有した濃密な時間。
マッサ・ヴェッキアを飲むたびに思い出すような気がします。
追記:この金曜日の夜、gar.netに携帯を忘れてしまいました。
電話を頂いた方、メールを頂いた方、何も反応出来ず申し訳なかったです。
22日午後に復旧しました。
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コメント
いつも飲むワインはフランスのものばかりなのですが、知人にイタリアはもっと奥が深いといわれたことがあります。
私もマッサ・ヴェッキア探して飲んでみようかな〜。
投稿: umeboshimikan | 2009/07/26 15:38
umeboshimikanさん、飲まず嫌いはいけません。
フランスに加えて、イタリアも飲めば2倍、日本も飲めば3倍楽しいです。
なんでも飲んで楽しみましょう。
投稿: bleu et rouge | 2009/07/26 20:44
イイですね~!!
こんな試飲会最高デス☆
もしも宜しければ今度ご一報くださーい♪
投稿: ぶどう | 2009/07/27 19:47
ぶどうさん、gar.netでは毎日が試飲会状態です。
良かったらいらっしゃいませんか?
8月末で閉店なので急いで下さいね。
投稿: bleu et rouge | 2009/07/27 20:22