相模灘でお馴染み、久保田酒造の会に参加させて頂きました。
相模灘は数年前からちょっと通な酒飲みさんたちに「上がって来たねー」なんて言われている注目の蔵。
ワタシも居酒屋なんかにあれば必ず頼んでいる酒です。
この興味深い蔵元さんと会う機会はないものか、と、以前から密かに思っておりました。
そんな折、四季酒の会(よきさけのかい)さんの主催で開かれる会 『welcome to 相模灘 WORLD!』 に 晃 氏 & 徹 氏 が招かれると聞いて、図々しくも混ぜて頂いちゃいました。
写真は 晃 氏です。
場所は新大塚の 酒味処 きの字 。
10分遅れて入った店内は満員。
すでに熱気でムンムンしていました。
この日の酒は10本と焼酎1本。
酒は基本的に9号酵母。
しかし吟醸香は控えめ。全く気になりません。
米本来の香りが前に出ています。
麹米と掛米は同じ品種の米で仕込んでいます。
なので美山錦は100%美山錦。雄町は100%雄町です。
どの酒もアタックが柔らかく、しかしながら、まるで素性の良いシャルドネみたいな酸があります。
この酸は神奈川の酒に共通して感じる酸です。
晃さんに聞いてみたらこの酸は神奈川の水の影響だそう。
少し硬い水が酸味の源だそうです。
さて、酒を飲みましょう。
1. 純米吟醸 雄町 50%精米 生酒 20BY
アタックの優しい酸がなんとも心地よい酒。
相模灘の特徴が最も良く表現されている酒です。
2. 特別本醸造 美山錦 60%精米 20BY
この酒は相模灘の香りの部分をフォーカスしたような酒。
やや旨味が薄い印象ですが、それ故に香りに注意が向く気がします。
3. 特別純米 美山錦 55%精米 20BY
ややアタックが強くキレを感じます。
シャルドネのよう。
マルク ペノ 氏のミュスカのような深みをも感じます。
ここから純米吟醸の米違いが3本。
4. 純米吟醸 美山錦 50%精米 20BY
やさしいけど酸が際立ちます。
5. 純米吟醸 雄町 50%精米 20BY
旨味、コハク酸を強く感じます。
リースリングみたい(?)な酒です。
1.の火入れバージョンです。
6. 純米吟醸 山田錦 50%精米 20BY
やさしい。甘みと旨味のバランスが良いんです。
ここから2本、70%精米。7号酵母。
7. 純米酒 山田錦 70%精米 20BY
雑味があるが旨味も多い。
様々な旨味に気が行ってしまうからか甘みを感じません。
山田錦は飽きたなーと思っていましたが、こんな酒ならとことん飲めます。
8. 普通酒 柏 楽水 加工米 70%精米 20BY
燗で。少し水っぽく感じます。
けど意外と旨みが多い。
1600円位だそうだが2000円までなら出しても良いかも。
ここから2本、酒造年度違い。2本共 19BY。
9. 特別純米 美山錦 55%精米 19BY
メチャメチャ旨い。味が乗っています。
エンドレスで飲めちゃいます。
10. 純米吟醸 雄町 50%精米 19BY
これもメチャメチャ旨い。
冷やから熱燗まで、どの温度でも旨いです。
どの酒も9号酵母なのに吟醸香が控えめ。
夏の若い稲の香りがとても清々しいです。
この清々しい夏の稲の香りについて話したら晃さんはソーヴィニョンブランのような香りとおしゃっていました。
先に『シャルドネのような酸』云々とワタシが言ったからだと思いますが、この清々しい稲の香りをソービニョンブランに例えるたのはなかなか的確だと思います。
誤解されないように言っておきますが、このソーヴィニョンブランのような香りを感じるのはアフターノーズ。飲んで返ってくる香りです。
ワタシはこの香りの酒がとても好き。
酵母の働き以外のところにこの香りの源はあるような気がしています。
また、冷やでも燗でも美味しいのがとても良いと思います。
酒質の良さは、燗にするまでもなく感じます。
最後は焼酎。
11. 粕取り焼酎 喜楽
粕取り焼酎。
戦後のカストリとは意味が違います。
農民が農作業の合間に栄養補給の意味もあって氷砂糖を入れて飲んだと言われているのが粕取り焼酎だそう。
シチリアの醸造家 Frank Cornelissen や、高畠ワイナリーの醸造家 畑貴嘉さんも、農民が農作業の合間に栄養補給するようなワインを造っていたり造りたいと思っていたりします。
人々の生活に寄り添うようなものを造る。鑑評会で金賞を取ることよりもそちらの方がセクシーです。
最後にワタシ的サプライズが1つ。
久保田ブラザースの兄 晃氏 手製のトリュフが振る舞われました。
中にはみかんの蜂蜜で甘みを付けた粕取り焼酎が入っていました。
これがとても美味しかった。
いろいろ試したそうですがみかん蜜が1番相性が良かったそう。
確かにリキュールを使ったオランジェみたいでとても美味しかったです。
しかし、ショコラ作りまでするとは!!
おもしろい杜氏です。
この日の会場になった酒味処きの字。
良く有るメニューのようですが、ちょっとした工夫がある。
そんな料理でワタシたちを楽しませてくれました。
献立は.....
枝豆
ポテトサラダ(山椒風味)
冬瓜と鶏つくねの煮物
アサリと夏野菜の酒蒸し
カツオのたたき(セロリ風味)
ナスの刺身
ズッキーニの寿司
らっきょうの天ぷら
イワシの梅干し煮
トマトと三つ葉のだし巻き
鯖の焼おにぎりのお茶漬け
モロヘイヤのおひたし
30余人分の料理を1人で作ってたいへんだったと思います。
しかし、どのメニューも手抜き無し。
味がとても良く、酒にも良く合いました。
写真は 徹 氏。
美味しい酒たちに大満足。
こうなるとどんな所で造っているのか見たくなります。
一度、蔵に行ってみたいです。
ってか、帰りの山手線で蔵に行く約束をしちゃったんですけどね。
どこかで時間を作って久保田酒造に行ってみたいと思っています。
久保田酒造 http://www.tsukui.ne.jp/kubota/
四季酒の会 http://ameblo.jp/take9243/
きの字 http://www.sakeaji-kinoji.com/
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