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2009/02/26

ヴィナイ オータ ワイン会 Amici つくば

2月21日、仕事を16時半に早退し、JR - TX と 乗り継いでつくばに向かいました。

この日、ワタシの敬愛するインポーター ヴィナイ オータ さんのイベントがあったのです。





ワタシは元々ワインがあまり好きではありませんでした。
飲んでも頭が痛くなるだけで美味しいと思えなかったのです。

バブルにギリギリ間に合った世代なので実は有名どころのワインは結構飲んでいたりもするのですが....。
良いワインと言われている有名ワインもたいして美味しいと思えませんでした。



美味しいと思えるワインに出会ったのはバブルから10数年経った2002年頃。
偶然近所に見つけた荻窪のご近所イタリアン Bel Sole で飲んだワインでした。

何の抵抗感もなくスーとカラダに染み込んだのです。
それまで飲んでいたワインとはロジックが違うものだとすぐに解りました。

そのワインはオータさんが扱っていた La Biancara の sassaia 。

馴れないガルガネーガというブドウでしたが、イヤな感じが全く無く、何とも例え様がない旨味があって、だけど水のような飲みやすさを感じるそんなワインでした。


そのワインを知ってからワタシのワイン感は変わりました。
頭が痛くなったり悪酔いしないワインがあるのです。

そうなると好奇心が抑えられません。
日本酒飲みだったワタシがワインを多く飲むようになってしまいました。


やがて、縁あってオータさんにも会えるようになり様々な話しを聞く機会が持てるようになりました。



今回のつくば行きもオータさんから直接話しが聞ける大チャンスです。



TXつくば駅からタクって5分。

イベント会場のアミーチさんには19時ちょうどに着きました。



この日のイベントはヴィナイオータ社屋で第1部、そこからアミーチさんに移動して第2部と、2部構成になっていました。


第1部は17時半から既に始まっていたのですが、ワタシはどうしても片付けなければならない仕事があったためそれは断念。アミーチさんに移動してからの第2部から参加させてもらったのです。




因にオータ社屋での試飲は.....





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1. Casa Coste Piane Prosecco Frizzante Sur Lie 2007
   (途中参加の為、飲みませんでした)






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アミーチさんではちょうど2と3のワイン sassaia の試飲が始まったところでした。

2007年の1月にお会いすることが出来たアンジョリーノさんのワインです。

(参照:2007/01/24 アンジョリーノ マウレさんを囲む会 LA BIANCARA試飲会



2と3は同じワインの二酸化硫黄 添加と無添加。

  2. La Biancara Sassaia 2007
  3. La Biancara Sassaia 2007 Senza SO2



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右が2で左が3です。

2つのグラスを並べることで二酸化硫黄には清澄作用があることを視覚で確認します。

自然派と呼ばれているワインを支持する消費者には酸化防止剤への拒否反応が強いのですが、二酸化硫黄にはワインの清澄作用もあるので一概に否定するのは如何なものでしょうかという提起です。


味はもう比べるまでもなくどちらも美味しいのです。

ただニュアンスは少し変わります。

添加の2は3よりアタックを感じ味わいもキレイな印象になります。
無添加の3は2より優しい印象でタバコの葉のような香りを感じます。
どちらもカラダが抵抗しないで染み込んでいきます。

ワタシ的には酸化防止剤が二酸化硫黄なら問題ありません。
亜硫酸塩でなければ大丈夫です。





4.5.6.のワインは同じぶどう Ribolla Gialla の飲み比べ。

  4. La Castellada Ribolla Gialla 2003
  5. Radikon Ribolla Gialla 2003
  6. Valter Mlecnik Rebula 2002

同じ地域や隣接するほぼ同じ地域で、同じブドウで造ったワインの飲み比べ。

幸運にもこの3人の造り手の皆さんと2007年の秋にお会いすることが出来ました。

(参照:2007/12/04 Gruppo Vini Veri (グルッポ ヴィーニ ヴェーリ)試飲会


3人共、ブドウに正直な造り手。
決してねじ伏せようとは考えない造り手たちです。

似たような環境で、その自然に任せるだけ。
なのに味わいはやはり異なります。

もちろん、3人のワインはどれも美味しいのです。
ただ、ニュアンスが違います。

何と言うか、実際に会って握手した時に感じた印象や人柄がそのまま瓶に詰まっているよう。

ワインへ、造り手による人的介入を減らせば減らすほど逆に造り手の顔が見えてくるんですよね。つくづくワインって面白いなーって思います。





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  7. Massa Vecchia Rosato 2005

ロゼと言っても、色だけを見れば完全に赤ワイン。

ロゼと言っていいのかなと思っちゃうくらい赤いです。


マルヴァジーア ネーラとメルローが半々。
両方、赤ワイン用のブドウです。

発酵の初期段階だけ赤ワインのように果皮ごと醸しています。


味わいは赤と白のニュアンスの良いとこどり。

こんな風に赤と白の良いニュアンスを感じるものをロゼと言うならば、このワインは紛れも無いロゼです。

造り手のマインドがロゼならば形式なんて構わない。(Rockだなぁ)

これはワタシの好きな日本ワインの生産者に飲んでもらいたいです。





  8. Cantina Giardino La Fole 2006

6人の仲間の共同出資で出来たワイナリー。

しかし、途中で資金が無くなって小さな畑しか買えなかったそう。

そんな折、地域の栽培家が高樹齢のアリアニコの樹を若い樹に植え替える現状に危機感を覚え、その高樹齢の樹のブドウでワインを造って、そのことで栽培家と高樹齢の樹を守っているそう。

なかなか良いストーリーのワイナリーです。

酢酸イソアミルのような甘いバナナ香が印象的です。






9.と10.は同じブドウで出来たワイン。
ただ造られた場所が大きく異なります。

  9. La Biancara So San 2006
10. Pane e vino Mariposa 2006



ブドウはどちらもグルナッシュ。

9.La Biancaraのあるヴェネトではトカイロッソと呼んでいる品種です。

10.Pane e Vinoのあるサルデーニャではカンノナウと呼びます。

が、しかし、Pane e Vino の ジャン フランコ だけは頑にグルナッシュとは呼ばないそう。


サルデーニャでジャン フランコに会った神楽坂 gar.net の店番タケダの話しでは、タケダがグルナッシュと言うと『ノー!! カンノナウ』と。

更にタケダがグルナッシュと言ったら『ノー!! カ・ン・ノ・ナ・ウ!!』と。
とんでもない頑固者らしいです。

Mariposa は 以前 SKISTOS となっていたワインと同じもののようです。

(参照:2007/01/29 食神降臨!! SKISTOS '04 とベジョータとフェルベール




湿気が多くワイン造りには環境が厳しいヴェネト。
方や、もうどんな果実でも勝手に美味しくできてしまう地中海のサルデーニャ。

こう書くと、Mariposaだけが美味しいと思われてしまいそう。

でもね、これもまた、どちらの造り手も美味しいのです。


勿論、ニュアンスの違いはあります。

ワタシ的には、享楽的なオトナの女性を感じるMariposa。

それに比べて So San は、少女と女の間にいる女の子の少しはにかんだような表情を感じます。

どっちも良いんですよねー。






11. Canonica Barolo 2003

カノニカのバローロはもう完璧な美味しさ。

しかし、高級なリストランテで出てくるような押し付けがましい感じではありません。

奥行きも厚みも素晴らしい。土のニュアンスが強いのに宇宙的ですらあります。

スケールの大きなワインですが、偉そうな、威張った感じがないのです。


泰然自若とした佇まい。

ワタシ的には『土を知り尽くした農民。しかし、実は武道の達人でもある』みたいな印象です。




12. Ezio Cerruti Sol Moscato Passito 2004

このモスカートは美味しかったです。

昨年の今頃、ウチではワタシとお食事番長が奪い合っていました。

(参照:2008/01/30 深夜のショコラとモスカート Ezio Cerruti Sol 2004


とても良い味わいには釣り合わない低価格。
見つけたら入手した方が良いです。







さて、アミーチさんの料理もとても美味しいものでした。




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ゼッポリーニ




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桜マスとアジのマリネ 柑橘類のサラダ仕立て





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豚足のカツレツ 茨城産蕎麦粉のポレンタ添え





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ピッツァ マルゲリータ ヴィナイオータヴァージョン





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ほうれん草を練り込んだスパッツレ 鴨肉のラグー





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魚のロースト つくば産大麦と春野菜を添えて





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ウサギのポルケッタ風 内蔵を使ったギオッタソースと





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ヘーゼルナッツのトルタとザバイオーネ


もう、マンプクでした。





アミーチさんの料理は毎日食べても飽きたりもたれたりしないと思われる優しい味付け。

たぶん、ご高齢の方が食べても美味しく食べられると思います。

こんな、店がある町がワタシは好きです。




オータさんの扱うワインはどのワインも農産物。
工業製品ではありません。

どのワインも、農民としての造り手の良心を(良い意味でのエゴも)感じるワインです。

旨いとか旨くないとか、ガンベロロッソの評価のグラスが幾つだとか、そんなことでワインを選ぶのは農民の良心の結晶を前にしてはとても小さいことだと思います。


知識を飲むのでなく農民の良心を飲みましょう。

きっと、新しい冒険が始まりますよ。






VinaiOta         http://www.vinaiota.com/

リストランテ Amici   http://www.napoli-amici.com/

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