« 花粉 今年も始まりました | トップページ | チーズ作りを楽しむ会 part2 牛乳からカードへ 磯沼牧場 »

2009/01/12

家畜福祉と黄金律 チーズ作りを楽しむ会 磯沼牧場

チーズスペシャリストの尾崎さんに誘われ磯沼牧場へ。

『チーズ作りを楽しむ会』に参加しました。



清水牧場や共働学舎に行ってもチーズを作る所はなかなか見れません。チーズ作りの現場は雑菌を嫌うのでこれは仕方ないんです。
でも、機会があったら1度見たいと思っていたので迷わず参加させて頂きました。




Isonuma0769

磯沼牧場は八王子市内にある牧場。
四方を宅地に囲まれている街の中の牧場です。


この日、JR中央線は高架化工事の為、西国分寺-立川間が運休。
磯村牧場へはJR八王子駅からタクっちゃうつもりでしたが予定変更。


Isonuma0467

最寄りの山田駅まで、途中の京王片倉駅でホームから富士山を見たりしながら京王線に揺られて行きました。
駅から徒歩5分。

8時ちょうどに牧場に着きました。

Isonuma0736

搾乳室の外にあった温度計は0℃。

気象庁のデータではこの時間の八王子の気温は -2.4℃。

最高気温は 6.7℃。寒い日でした。





Isonuma0732

牧場ではちょうど搾乳を行っていました。

牛は自ら搾乳室に進み、乳房をシャワーで洗浄してもらってから搾乳です。





Isonuma0776

表の竃では近所の大学で食品工学を学んでいる学生さんたちが火を熾していました。





Isonuma0772

やがてスタッフと思しきツナギを着た男性が牛乳を火にかけました。

このスタッフと思ってしまった男性が磯沼牧場代表の磯村正徳さん。




磯沼さんの挨拶、牧場の概要、21回目を迎えたこの『チーズ作りを楽しむ会』の これまでの経緯、この日のスケジュールなどを話して頂きました。




この磯沼牧場はホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種類の乳牛を同じ牛舎で飼育しています。




Isonuma0788

生まれた時から一緒に育てられてるので身体の小さなジャージーも大きなホルスタインと一緒にしても兄弟のように張り合って草を食んだりするので特に問題無いそうです。

牛舎は狭いながらも自由に動けるような環境で飼育され、24時間好きな時に餌を食べられるようになっています。


餌は4種類の草を混ぜた青草を多く与えるようにしているそう。

牛乳を多く搾るためには濃厚飼料(穀物)を与えたほうが良いそうですが、量よりも美味しさを優先するほうが良いと考えて青草を多く与えるようにしているそうです。



磯沼牧場には畜産や酪農の牧場のアノ匂いがありません。

市街地にある牧場として一番問題になるのは匂いです。
磯沼牧場に行くとコーヒーの匂いがするのです。


Isonuma0748
これはカカオの殻。

牛舎はコーヒーの出し殻とカカオの殻が敷かれています。
この問題をコーヒー出し殻の脱臭効果で解決しています。



ワタシの生まれ育った街、世田谷区赤堤には1980年代の中頃まで四谷軒牧場という牧場がありました。

小学校のすぐ近くにあった牧場は学校帰りに生まれたばかりの子牛を見に行ったりしてワタシたち地元の子供達には楽しい場所でした。

その牧場のオーナーだった方は今は地元神社の総代会でワタシのボスだったりします。

何かの会合で四谷軒牧場が今あったら...なんて話になった時に、牧場をヤメた直接の理由は急激に増えた住民からの匂いへの苦情処理に疲れたからだと聞いたことがあります。
匂いは市街地にある牧場には存亡に繋がる大きな問題なんですよね。

この牧場はコーヒーの匂いしかないので全く家畜の匂いは気になりません。これってスゴイことだと思います。



チーズ作りは、火にかけた牛乳を65℃にして30分間殺菌することから始まります。パスツールの発見した低温殺菌です。





Isonuma0784

しばらく時間がかかるその間に3種類の牛から搾乳した牛乳を利きます。

この利き牛乳はブラインドでテイスティング。牛の種類を推察してみることになりました。


まずはキララ(361)という名前の母牛のミルクです。

甘みの強いミルク。
余韻が長く、アフターにもう1度甘みが帰ってきます。
ミルキーでコクも強い牛乳です。

ワタシはこの牛乳をジャージー種のものと思いましたがハズレ。
ブラウンスイス牛の牛乳でした。




次に飲んだのはルリ(364)のミルク。

優しい味。
控えめな甘さ。

少し粉っぽい不思議な舌触り。

ワタシはホルスタインと判断しましたが結果はジャージー種。

磯村さんの解説では脂肪分が強いということでしたが、味覚的にはサラサラ感が強かったのでこれは意外でした。

粉っぽい舌触りは皆で何度も味見するなかで牛乳瓶が振られて脂肪球が纏まってしまっていたのかもしれません。




最後にモミジ(341)

ワタシ的にはとてもオイリーに感じた牛乳です。
しかし、とても後味が爽やか。

ブラウンスイスと確信しましたがこれがホルスタイン。

利き牛乳は全てハズレでした。





このホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスのミルクをブレンドしたのが磯沼牧場のオリジナルブランド 磯沼ミルクファーム 『みるくの黄金律


この黄金律(ゴールデンルール)とは欧州を中心に近年提唱されている『家畜福祉』という概念のことらしいです。


『家畜福祉』とは生産性は落ちても動物本来の姿に近い環境で飼育することが味や安全性を高めるということが根幹になっている考え方のようです。


母牛は驚いたりストレスを感じたりするとミルクを出さなくなるそうです。牛にとってストレスのない環境を与えること=美味しい牛乳を牛から頂くことになるそう。
そんな人と牛の良い関係を『黄金律』と言っているようです。



このブレンド牛乳も搾り立てを試飲しました。

驚く事にブレンドしたほうが甘みやコクや旨味が格段に良いのです。
しかも豆乳のような青草の香りが有ってとっても爽やかです。

ブレンドの割合はブラウンスイス20%。ジャージー30%。ホルスタイン50%だそう。
中札内レディースファームの『おもいやり牛乳』以来、久しぶりに牛乳を飲んで感動しました。



Isonuma0502

この『みるくの黄金律』は極々少量の限定生産。

これ以外の磯沼牧場の牛乳は東京の地産地消ブランド『東京牛乳』に出荷されています。

東京の酪農でも地産地消が行われているんですね。






やがてミルクが65℃になり、低温殺菌も出来ました。

いよいよチーズ作り。



ですが、またまた前書きが長くなってしまいました。

続きはまたあとで。





磯沼ミルクファーム  http://isonuma-farm.com/

|

« 花粉 今年も始まりました | トップページ | チーズ作りを楽しむ会 part2 牛乳からカードへ 磯沼牧場 »

Fromage (おいしいチーズ)」カテゴリの記事

とうきょう」カテゴリの記事

勉強会」カテゴリの記事

生産者に会いに行く」カテゴリの記事

コメント

カカオの香りのする牧場・・・なんだか想像できませんが、
あのニオイがしないのはスゴイ事、ということだけは分かります。
田舎道を、車の窓を開けて気持ちよく走っていると、突如鼻にツーンときて
「うあ!牧場が近いぞ!牛がいる!牛が!」なんて慌てて窓を閉めたりしてたものです(笑)。
カカオも消臭効果があるんですね~。
自分ちでサンマを焼いたりする時は、緑茶の茶殻を敷いたりしてます。
茶殻も消臭効果ばっちりなので。
でも牧場がお茶の香りで充満してるのもオカシイですね(笑)。

投稿: まき子 | 2009/01/14 06:19

まき子さん、この牧場はホントに匂いがないんです。ビックリしますよ。
しかも、コーヒーの出し殻は良い具合に発酵するそうで有機栽培農家に好評の堆肥になるそうです。一石二鳥ですね。

まき子家の焼魚グリルはお茶殻なんですね。お茶のスモーク香が良さそうです。朝飲んだコーヒー殻を使うのも良いそうですよ。

投稿: bleu et rouge | 2009/01/14 15:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/135843/43722297

この記事へのトラックバック一覧です: 家畜福祉と黄金律 チーズ作りを楽しむ会 磯沼牧場:

« 花粉 今年も始まりました | トップページ | チーズ作りを楽しむ会 part2 牛乳からカードへ 磯沼牧場 »