野性味あふれる野菜たち 話題のイタリアン Villa AiDA 和歌山
大阪は玉造のフレンチ Le pilier が閉店したと誰かから聞いたのはいつのことだったでしょうか?
とても美味しくって安くって。(しかもスタッフは皆女性)
評判の女性シェフの料理はなかなかのものでした。
一度しか行かなかったワタシの記憶にも今も残る店です。
(2005/12/09 『Le pilier (ル・ピリエ)』 玉造 (閉店しました))
一昨年くらい前からでしょうか?
地方のイタリアンがちょっとしたブームです。
弘前の オステリア エノテカ ダ サッスィーノ や山形の アル ケッチァーノ などなど。TVや雑誌にもよく出ていますよね。
ウチでもお食事番長が昨年の夏にサッスィーノに抜け駆けたり、チーズスペシャリストの尾崎さん夫妻に紹介してもらった諏訪の DANLO に行ってみたりと注目しています。
(2008/06/03 清水牧場 山のチーズをサクサクモチッと絶品ソテー DANLO 上諏訪)
このブームを作ったのはDancyuや料理通信の特集記事。
井川直子さんの書いた記事に間違いありません。
昨年、チーズスペシャリストの大和田百合香さんに紹介して頂いたのがこのライター井川直子さんと某出版社池本編集長と尾崎さん夫妻。
その後も何度かご一緒させて頂いたりして、ワタシは図々しくも勝手に皆さんを飲み仲間と思っていたりします。
その井川さんに薦められたのが和歌山のイタリアン Villa AiDA 。
自家菜園を持つ素晴らしい店と聞いて興味津々。
更に、その Villa AiDA のシェフ氏のお嫁さんが Le pilier の女性シェフさんと聞いてちょっと驚いたりしちゃいました。
そんなことも有って、いつかアイーダに行ってみたいなーなんて漠然と思ってました。
そんなこんなしてたら、いつだったかワタシの好きなインポーターヴィナイオータさんのblogで アイーダ夫妻 が紹介されていまして。
オータさんに聞いたら「ワイン、ウチのなんですよ」なんてね。
もう『行ってこい』と背中を押された気がしましたよ。 妄想ですが。
そして、この連休。
ちょっとした事情があって関西に。
その用件が済んでから和歌山に行っちゃいました。
Villa AiDA は和歌山駅からJRとタクシーで20分。
大阪からならJR阪和線快速とタクシーで70分くらい。
遠いと言えば遠いけど、そんなに遠くないと言えばそんなに遠くない。
新宿から鎌倉のレストランに行く感じです。
玄関で出迎えてくれたマダムはあの名店 Le pilier の女性シェフさんでした。
結構広い店内は4人掛けのテーブルが5台。2人掛けが2台。
ワタシたちは一番奥の4人掛けに案内されました。
すぐ近くに小さな台がありレーヴィのグラッパたちが並んでいます。
クロスが可愛らしいテーブルには小さな野の花とノンフィルターのオリーブオイル。
ワクワクします。
メニューは5000円と8000円のプリフックスのコースが2種類。
ワタシたちは野菜のコース(5250円)を選びました。
まずは野菜のパーニャカウダ。
赤かぶ、ニンジン、ラディッシュ、フェンネルの茎。
フェンネルの茎はフィノッキオと言うそう(gar.netタケダのblogで知りました)。
セロリの歯ごたえにフェンネルの香り。クセになりそう。
食感、味、香り、鮮度。素晴らしい野菜たち。
野菜の甘みと香りが強いので、アンチョビの旨味を合わせただけで美味しい逸品になってしまいます。
ここまで泡ものをグラスで頂いてましたがワインを1本。
Longariva の Gramine 。
この後のメインが鴨とスズキだったので赤とも白ともとれるワインを選びました。
色でわかるように白ワインに使うピノ グリージョを赤ワインを醸すように果皮ごとピジャージュしたワイン。
もちろんインポーターはヴィナイオータ。
オータさんのワインでワタシたちが飲んだ事がなかったものを薦めてもらったのでちょうど良かったです。
a-iuto! や、このワインのように果皮ごと醸す白ワインが好きです。
果皮の甘さと渋みが溶け出して、少し野暮ったい感じ。
洗練されたワインではないけどハートにしみる気がします。
個人的には日本の甲州もピジャージュしたら面白いのでは?と思っています。(今年の自家製ワインはその実験です)
蕪のローストと牡蠣のタルタル
蕪の焼加減が良い感じ。歯ごたえと甘みがとても良かったです。
葉はさすがに食べられないと思ったらほうじ茶みたいな美味しい味。ちょっとした薬味みたいな効果がありました。
タルタルは牡蠣とサラミ(自家製)を合わせたもの。
蕪のピューレの上に乗せてありました。
牡蠣の旨味、サラミの甘みと香り、蕪の甘み。
海の美味しさと山の美味しさが絶妙です。
野菜のココット
野菜スープの上に半熟に卵とクルトンがのっています。
優しい味わいの野菜スープと黄身の甘み。スプーンが止まらず一気喰いでした。
ブロッコリーのオレキエッテ
不思議と甘味があるオレキエッテ。
粉の甘みを感じるオレキエッテってありそうでなかなかありません。
粉の香りも野菜の香りもとっても良い。
このパスタも優しい味付けでとても美味しいです。
スズキのハーブ焼
自家栽培のハーブが美味しいお皿です。
焼加減が写真から伝わるでしょうか。
フワフワ、サクサク。シビレます。
ハーブが効いていますが味自体は優しい味です。
ワインと合うか心配でしたがなかなか上手くいきました。
ゴボウと鴨のロースト
素晴らしい食感の鴨。
肉の繊維を噛むことが楽しいんです。
鴨肉の焼加減が絶妙です。
野菜の焼加減も絶妙。
圧倒的な根菜の土の匂い。
根菜の食感と香りが鴨と相まって素晴らしさ倍増。
コレを食べる為に和歌山に来たんだなと思うほど美味しかったです。
このお皿は絶品。
ワインとも良く合いました。
山のワインは土臭いものに合わせると美味しいですね。
そー言えば、先日参加した佐野加奈さんのチーズラボもイタリアの山のワインでした。偶然に山のワインを飲む機会が続きますね。少しこの地域のワインを探ってみましょうか。
(2008/10/27 チーズとワインの相性 原産地呼称制度を考えた)
すっかり満足なワタシたちですが、甘いものを見過ごすワケにはいきません。
みかんのソルベ。
カカオのアイスに和栗のソース。
富有柿とアイス。ソースはハチミツです。
さらにリンゴのタルトに輪切りのサツマイモを乗せて。
みかん、栗、柿、りんご。
和歌山っぽい感じが旅行者にはたまりません。
果物の大産地ですもん。
甘いワインも。
この店で使われている野菜は雑草を抜かずに競わせるように栽培されているそう。
その野性味あふれる野菜たちをそのまま楽しむことができる優しい味付けにが素晴らしいです。
『素材を生かす味付け』
既に慣用句になってしまった言葉ですが、ホントに素材を生かしている味の店ってそんなに多くないと思いませんか?
畑に恵まれていることがアイーダの強みですね。
大満足の和歌山 Villa AiDA。
産地の利点を生かした、力強い野菜たちが待ってます。
想像以上の素材と味に魅せられた楽しい夜になりました。
もちろん夜だけで終わるはずがありません。
翌日のランチも予約済み。
Villa AiDA 訪問記は #2 ランチ編に続きます。
Villa AiDA http://www.ristorante-aida.com/
0736-63-2227
和歌山県岩出市川尻71-5
11:30-14:00
18:00-21:00
月曜日定休(月曜が祝日の場合は火曜日)
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