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2008/10/27

チーズとワインの相性 原産地呼称制度を考えた

三宿の世田谷ものづくり学校で行われたチーズセミナーに行ってきました。


このセミナーの主催者はチーズスペシャリスト佐野加奈(チーズ@ラボ)さん。

6月に参加した大人の食育講座で講師をされてた方です。
(参照:2008/06/22 大人の夜の食育講座 チーズをいっぱい食べよう





今回のワークショップは、 「チーズマニア~イタリア編~」



ワインエキスパート大滝恭子さんを迎えて、イタリアチーズだけでなくイタリアワインのマリアージュまで踏み込んだ内容です。






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まずは6種類のチーズの紹介から。




アジアゴ(Asiago Pressato D.O.P.)

アジアゴは北部の街ヴィツェンツァから50km程北の山中にあるヴェネト州アジアゴ村で作られているチーズ。

16世紀までは羊乳で作られていたそうですが、16世紀に牛乳が入ってからは牛乳で作られるようになったそう。

このチーズには プレッサート と ストラヴェッキオ の2種類があって、熟成と作り方が違うそう。

今回はプレッサート。ミルク感がつよく柔らかいチーズ。






フォンティーナ(Fontina D.O.P.)

フランスのシャモニーやスイスのツェルマットに近いヴァッレ ダ オスタ州のアオスタ渓谷などで作られているそうです。シャモニーにはいづれSkiに行きたいと思っていますよ。

他の地域で作られているものはフォンタルと名前が変わり区別されているようですよ。

イタリア版チーズフォンデュ(レシピは牛乳、卵黄、バター)のフォンデューダにはこのフォンティーナが使われるそう。

このチーズはやや塩分が立ってるのでミルクと合わせて料理に使うと美味しそうです。






ゴルボンゾーラ(Gorgonzola) 2種。

ドルチェ(Dolce D.O.P.)と ピカンテ(Piccante D.O.P.)。

大都市ミラノ郊外の街ゴルゴンゾーラが発祥と言われている青カビチーズ。

昔の話し。夏の間、山で放牧していた牛は秋になると山から下りて里に戻していたそう。
その途中でゴルゴンゾーラ村に立ち寄って休息したらしいです。

で、そのゴルゴンゾーラ村で搾乳して作ったのがこのチーズ。

正式な名称は 『Stracchino di Gorgonzola 』
この『ストラッキーノチーズ(Stracchino)』は、ロンバルディアの方言『Stracco』(『stanco』が訛ったらしい)で『疲れたチーズ』という意味だそう。(「ちかれたべー」な感じ?)

疲れた牛から搾乳した牛乳に青カビを混ぜて作ったのがゴルゴンゾーラ。

今回は水分が多く柔らかいドルチェ(dolce)と、しっかりしたピカンテ(piccante)の2種類。

優しい甘みと旨味のドルチェ(dolce)。塩分が硬いピカンテ(piccante)。

同じゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)とは思えないほど味が違います。






トレンティーノ グラナ(Trentino grana D.O.P.)

グラナパダーノ(Grana Padano)の一種。エミリア ロマーナ州のトレンティーノ産牛乳で作られてるD.O.P.。

パルミジャーノ(Parmigiano Reggiano)に似た硬くてポロポロと崩れるチーズです。


パルミジャーノとグラナパダーノの違いは製法と熟成期間。

グラナパダーノは1日2回搾乳して生産する事が許されているそう。

対して、パルミジャーノは前日に搾乳した牛乳から脂肪分を抜き、翌日搾乳した牛乳と混ぜて作られるそうです。

9ヶ月から出荷が許されているグラナパダーノは、24ヶ月以上の熟成が必要なパルミジャーノより廉価です。

普段使うのならばグラナパダーノで良いのではないかという提案でした。





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マスカルポーネ(Mascarpone)

今回のイタリアチーズでは唯一これだけがDOPではありません。

そもそも、マスカルポーネはチーズでは無く乳製品なのでDOPには該当しないんだと思います。便宜上、チーズに入れることが多いんですけどね。

脂肪分が多く、甘みがあるので、ティラミスなどのスィーツに使われます。







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続いてワイン。



まず泡もの。


マルティーニ アスティ スプマンテ(Martini Asti Spumante)

アスティは大都市トリノがあるピエモンテ州の原産地呼称。

アスティ県 (Provincia di Asti)、アレッサンドリア県 (Provincia di Alessandria)、クーネオ県 (Provincia di Cuneo)で造られています。

今回のものはベルガモットでお馴染みのマルティーニのスプマンテ。
自分ではまず買わない大メーカーのスプマンテですがこれがなかなか飲みやすい。

モスカートは太陽をそのまま瓶に入れたワインだといつも思うのですが、このマルティーニのスプマンテは白桃や乳酸飲料(ヤクルト)の香り。甘みが強くジュースみたい。




テ ビアンコ トラミン(T Bianco 2007 Tramin)

今回のワイン3種類の中、ワタシ的に興味深かかったのがコレ。

イタリア北部のトレンティーノ=アルト・アディジェ州(Trentino-Alto Adige)はオーストリアと隣接するドイツ語圏。

トラミン村はゲヴェルツトラミネールの発祥の地らしいです。

シャルドネ、ピノ ビアンコ(ヴァイスブルグンダー)、ソーヴィニョン、リースリングのブレンドはアタックが強く甘さ控えめで乾いた感じ。

酢酸イソアミルのバナナ香を感じます。





プロドゥットーリ デル バルバレスコ ネッビオーロ ランゲ
Produttori del Barbaresco Nebbiolo Langhe 2006 DOC)

バルバレスコ協同組合(Produttori del Barbaresco)の造るワイン。

Langheはピエモンテ州のDOC。

クーネオ県 (Provincia di Cuneo)で造られているそう。

上位ランクのバルバレスコDOCGに使われなかったネッビオーロで造られているのがこのワインらしいです。


ミネラル感がとても強く、鉄っぽいウーロン茶かな。

でも、何より印象的なのはカツオ節のダシみたいな旨味。

しかも、甘くて塩っぱくって酸が立っています。

このワインもトラミン同様に個性的でした。





ここまで個々のチーズとワインの味見でしたが、ここからはチーズとワインのマリアージュを探ります。



アスティ スプマンテに合うのは?


マスカルポーネ 7名
ゴルゴンゾーラ 1名

この1名がワタシ。


佐野加奈さんはマスカルポーネを出すときに「是非スプマンテと合わせて」とおっしゃったのですが、ワタシは断然ゴルゴンゾーラ。

ハチミツをかけたマスカルポーネと甘いアスティ、甘いチーズ×甘いワインはどちらの良さもボケてしまうように感じました。

塩っぱいゴルゴンゾーラ×甘いアスティは、『スイカと塩』とか『お汁粉に塩』みたいな、甘いものの輪郭を際立たせる効果があって、凡庸なアスティのボディが豊かになったように感じました。





続いて、ビアンコ テラミンに合うのは?

アジアゴ    4名
ゴルゴンゾーラ 4名

ワタシはアジアゴに1票。
ミルクみたいな アジアゴ に ビアンコ テラミン が良いかな?と。

でも、すぐに訂正したいと思いました。

ビアンコ テラミン には アジアゴよりもっと脂肪分が強い マスカルポーネ が良いです。

アタックの強いソリッドなボディは脂肪分が強い料理と合わせたほうが『ほどける』感じが味わえます。

アジアゴも悪くないけど、ちょっと優しすぎるかな?と感じました。


ホントはチーズ単品に合わせるよりも南チロルの料理に合わせる方がこのワインには良いと思います。
南チロルの料理は野菜や魚料理がほとんどなく、動物性の蛋白質や脂肪が多い料理。
またクミンシードをたっぷり使うのが特徴で、このワインのバナナ香にも良く合う気がします。





最後に、ネッビオーロ ランゲ。

アジアゴ   3名
フォンティナ 1名
ゴルゴンゾーラ 1名
トレンティーノ 3名




ワタシ的には アジアゴ でしたが、すぐに フォンティナ に変更したいと思いました。

カツオ節のおダシみたいなワインにちょうど良い塩分のフォンティナ。
またフォンティナの程よい塩っけがワインの甘みと良く合いました。

これはワインとのマリアージュは、どの旨味や香りにフォーカスするかで色々意見が変わるような気がします。





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イタリアの原産地呼称に沿って選ばれたチーズとワインのセミナー。
チーズとワインのマリアージュを探る過程でワインとチーズの原産地呼称制度の性格の違いに気付きました。

ワインの場合は階級的なニュアンスが強いこの制度も、チーズの場合は地域的な歴史や文化をふまえた上での農業保護的な意味合いが強いようです。





でも、原産地呼称制度ってとっても新鮮。


ワインを飲み始めた頃はDOCやAOCとか原産地呼称をヒントにワインを選んでいましたが、現在は全然気にしてません。

アンジョリーノ マウレ、マッサ ヴェッキア、カスッテラーダ、ティエリー ピュズラ、メイエ、テンペ、シュレール....。

ワタシの好きな作り手たちは原産地呼称制度に馴染まない人が多いんです。





たとえば、誰もが美味しいって言うワインを扱っている高級店に行くと、特にフランスワインがそんなことが多いんですけど、ピラミッドのテッペン以外のワインは「まぁまぁ」って扱いですよ。

特別な畑のワインがチャンピオンで、その他は「セカンドだけどお値打ち」とか、「1級畑の隣のぶどうを使ってる」とか.....。
上位のワインに言い訳しながらワインを選んだり飲んだりするワケですよ。


1級畑とか何とかって確かに美味しいですよ。
でも、そんなワインはホストでもないとそんなに飲めるもんじゃないです。ワタシのような下層階級の人には馴染みがありません。


で、お店の人に「DRCの隣の畑」なんて言われても別に有り難くないです。
言い訳しながらワイン選んだり、有り難がったりしたところで、ちっとも楽しくなれません。


格付けに直結しがちな原産地呼称はへそ曲がりな性分にも合わないので無視していました。もちろん、やっかみもあります。




でも、今回のセミナーは良かったですよ。


原産地呼称に参加しない選択をしたワインに素晴らしいものがたくさんある事を知っているからか、その制度を階級分けと捉えずに地域性の保護として捉えられた....。

と、言うよりか、イタリアでは地域性、フランスでは序列の明確化と保護の対象が違うんでしょうね。

ワタシ、なんだか納得できました。


これからはその地域の立地、歴史、文化なども注意しながら楽しみたいと思っています。

今回のセミナーに参加しなければそうは思えなかったかも。
影響されやすいのかもしれませんが....。

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コメント

 26日は塩尻のワイン祭りにジュレ仲間12名で行ってきましたよ♪
私は相変わらずなめる程度ですが、皆さん思う存分試飲して(足りなかったか?!)夕方ジュレで又盛り上がり12時間近く飲んでた感じです。。。
松本にいらっしゃる時は、日が隠れると寒いからフリース一枚羽織って来て下さいね!!女性は毛糸物も一枚必要です!!!

投稿: uko | 2008/10/29 14:13

ukoさん、こんにちは。塩尻ワイン祭りは楽しいイベントになったようですね。
ワタシもいつか参加したいです。なかなか月末近くになると休み辛いです。
松本は肌寒いのですね。冬がやってきますね。

投稿: bleu et rouge | 2008/10/29 17:03

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