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2008/06/10

大人の夜の食育講座 世田谷区

三軒茶屋のキャロットタワー内 生活工房ワークショップAルームで開かれた大人の夜の食育講座に参加してきました。



この夜のテーマは蕎麦。


『そばに学ぶ』というタイトルで、芝公園の『蕎麦 案山子』のご主人 山田健人さんの出張そば会です。 




山田健人さんは『安曇野 翁』で修行を積み、この4月芝に 蕎麦 案山子 を出店したそうです。『翁 達磨 雪花山房』の高橋氏の孫弟子になるんですね。



いつも楽しみにしている江戸そばリエ しゅうちゃんのblog 新・飲み食いブログで『蕎麦 案山子』の記事を読んでから気になってましてね。


ホントはお店に行ってみたかったんですけどね。せっかく近所に来てくれるのですからこれは参加しないワケに行かなかったんですよ。




蕎麦屋で蕎麦打ちを目撃したことならモチロンありますけど、それはガラス越しに向こう側の打ち場を見る程度。


蕎麦粉がかかる至近距離。足もとが薄らと粉が付くところで見るのは初めてです。



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山田さんの蕎麦は二八。
蕎麦粉8割に対し、小麦粉2割。

ワタシは広島の『翁 達磨 雪花山房』に高橋氏の蕎麦を食べに行くまで正直二八に偏見を持っていました。

(参照:2006/12/15 翁 達磨 雪花山房 高橋邦弘氏の蕎麦 広島)


十割の方が言葉として本格感あるじゃないですか。

でも高橋氏の蕎麦を食べて、十割だけがホンモノと言うのは間違っていると知りました。それは妄想です。

打ち手次第なんですよ。打ち手の表現したい蕎麦次第。

打ち手にとっての美味しい蕎麦を表現する為の1つの要素。それ以上でも、それ以下でもありません。




Kakashi0043

水回しという作業は鉢に蕎麦粉を入れそこに水を加え均一に馴染ませます。

水を数回に分けて少しづつ入れる職人が多いらしいのですが、山田さんは一気に水を入れます。

大胆迅速に、しかしながら力は加えず。

力づくでなく、800m走のランナーのように、呼吸とリズムをシンクロさせて、水と駆け引きしながら一気に駆け抜ける感じ。



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やがて水が全体に馴染むと自然と粉がまとまってきます。


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菊練りという捏ねる作業に入ります。


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やがて円錐状にしながら空気を抜きます。


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その蕎麦を丸く伸していきます。



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丸く伸したら対角線に伸し四角くして行きます。


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四角くなったら12枚にたたみます。
で、いよいよ蕎麦を切っていくワケです。



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腕のいい職人という意味合いで「蕎麦の角が立つ」という言いかたをすることがあるのですが、翁ではあえて角を立てないで切るそうです。


これは少し角が丸いほうが蕎麦つゆに絡みが良いからだそう。

本や雑誌やテレビなど、様々な情報から受けていた『良い蕎麦』の概念。それらが『絶対』ではなく、あくまでも表現方法の1つでしかなかったことを知り、正直驚きました。


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やがて蕎麦は完成。


手際の良さ、素早さ、美しさ。まったく無駄がありません。
所作の美しさに感動すら覚えます。

この人の蕎麦をまた食べてみたいと強く思いました。



この講座中、具体的な蕎麦の勘所やつゆのレシピなど、結構大胆に手のうちを惜しげもなく披露してくれた山田さん。

短い時間の中で、最大限に蕎麦のことを伝えたいという真摯な姿勢が素晴らしい。

もちろん、聞いたところで同じようには作れませんけどね。



大人の夜の食育講座。第1回 『そばに学ぶ』
食についての興味を喚起しようという目論みにパックリ喰いついてしまいました。




次回は週末の14日。『チーズを知る』というテーマで開催。
これも楽しみなテーマです。

参加費は1500円。世田谷区在住在勤のかたは是非。

申し込みは 世田谷保健所健康推進課 03-5432-2440 まで。


ワタシですか? 聞くだけ野暮ってもんですよ。



参考:

広報せたがや 2008年6月1日号7面
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/koho/koho/2008/080601/p07_001.html

蕎麦 案山子 http://sobakakashi.ikidane.com/ 

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コメント

楽しい一時を過ごさせていただきました。

翌日は江戸ソバリエのシンポジュウムに出席。今年で6年目になりますが、新たに参画しようとする方のための説明会です。

客席を見渡すと、9割以上が年配の方です。しかもそのほとんどが素人の蕎麦打ちの方ばかり。これじゃ、養老院のサークル活動のような感じです。
正直言って、背筋が寒くなりました。
手打ちの新しいお店がどんどん出来ているのに、客層は一向に広がっていません。若い女性にはそっぽを向かれています。
シンポジュウムの第三部では老舗の店主による座談会も行われましたが、「自分の店が最高」などと発言をされる店主もいて、それはそれで伝統と自信に裏付けされた忌憚のない意見なのかもしれませんが、明らかに意識が閉鎖的です。
前日の「案山子」店主の実にフレッシュな感覚とあまりにもかけ離れています。

あ~、これじゃ駄目だ。蕎麦という食文化の将来が心配になりました。

投稿: しゅうちゃん | 2008/06/10 01:15

しゅうちゃん、まいどデス。いつも良い情報ありがとうございます。
今回は絶対しゅうちゃん出席と確信しておりました。やっぱりねって感じです。
しかし山田さんは所作が美しい。そば打ち見て感動しちゃうとは思いも寄りませんでした。是非ともお店に行ってみたいと思います。お手伝いの料理人斎藤さんも要注目ですね。

投稿: bleu et rouge | 2008/06/10 09:02

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