俳優 光石 研 祝宴7デイズ 光石研映画祭 渋谷
俳優 光石 研。
ぶっちゃけ、思い入れは無い。
ただ、映画のどこかに必ずいて、いつも何となく気になる。
やつれたオッサン。狂気を秘めた男。変幻自在。
ほとんど脇役。
ただ、いつも主役を喰う一歩手前までいっちゃう。
そんな役者、光石研にフォーカスした7days。渋谷で開催中。
ユーロスペースの3階に上がり、微笑まないスタッフから入場券を買う。
整理番号順に入場。いつもの通り。
とは言っても、前回きたのは2年前。
近所の酒屋のヒデくんが出演した映画の舞台挨拶だった。
アノ映画はイマイチだったけど、最後15分のヒデくんの演技は凄まじかった。
主役が2人共スクリーンから消え、彼だけの映画になっていた。
主役を喰った彼のプロモーションのような映画だった。
場内は混んでもなく空いてもない。
最後列(と、言っても10列ないのだが)のあたりに座る。
前のほうに座った....いや、光石氏×川勝氏トークショーが始まっても座らずに、シャツの裾を....右の裾を右手で、左の裾を左手で持って....、何度も左右に振ってる男....。
繊維がすれる音が何度も響く....。
男の歪な行動に空気が張りつめる。
舞台の近くにいる男に2人共視線を向けぬままトークは進む。
最初に好きになったクールスから横山剣までの話し。
ホントはもう少し黒い曲が好きだったと光石氏。
ユルい空気に少し救われる。
上映は『エロス番長』シリーズより『ユダ』
セクシャリティが曖昧な"少年"『ユダ』
"あやふやな存在"の『ユダ』が、”存在すらあやふや”な”何か”を探す旅。
『私』(光石)の前に『ユダ』の死を告げる女『ミチ』が唐突に現れ、やがて不合理や不条理に翻弄される旅の軌跡を追うことになり....。
厄介なコトからウソで逃れようとするが、やがて巻き込まれていく『私』。あやふやな距離感が次第に詰まって行く。
冴えないオッサンの『私』が、距離感が近づくにつれ色気のある男に変って行く。演出も良いが、抑えた演技が少しだけど確かに煌めく。
隅っこにころがってるちょっと変った形の石に視線を送る。
こんなイベントに出会うたび東京の懐の深さを感じる。
好奇心のまま来てみたが、おもしろい映画だった。
映画が終わり、道玄坂のラブホテル街から駅に向かう。
途中、道に座った女が『アンフェアな扱い』を受けたと、そこにいない誰かに向かって抗議していた。「バカじゃないの? アンタが悪いんだ!!」
しばらく行くと中年男が「だいじょうぶ」「きっとできるよ」とアツい。向かい合わないようカラダをずらして立つ若い女が、そこにいない誰かにでも助けを求めるように遠くを見る。
”あやふやな存在”としての”曖昧な距離感”を感じつつ、光石研演じる主人公『私』のように歩く。
そんな渋谷で開催中の光石研映画祭は23日金曜日まで。
場所は渋谷ユーロスペース。
微笑まないスタッフからチケットを買って、整理番号順に入場です。
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