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2008/01/22

湯川酒造 鷲澤捨男杜氏を囲んで おぎのや 木祖

湯川酒造見学会から1週間経ってしまいました。

杜氏を囲んでの懇親会の時の事を書こうと思ってたんですけどね。

先週半ばからインフルエンザでフラフラでした。

とにかく毎朝会社に行って、なんとか段取りだけでもやって、午後に手が空くようなら帰る毎日。

寝床に潜りフウフウ言いながらPowerbookでblogとか見て気晴らししていたんです。

湯川酒造16代目の尚子さんのblog『蔵人尚子の奮闘記』をずーっと遡って読んだりして。



いろいろ興味深い記事があります。

'07.11月16日の醸造用アルコールについての記事が深かったなぁ。





尚子さんはアル添したくないんですよね。

しかし、蔵の酒を買ってくれる消費者は安い酒を求めている。


でも、蔵の杜氏はキッパリと純米至上主義。

米と水からだけ造りたい。



いろいろ揺らいでいるのが素直に書いてあったんです。


先週、杜氏を囲んでの懇親会で直接聞いた話しとシンクロします。





Oginoya0018


先日の湯川酒造見学会後の懇親会。
鷲澤杜氏の隣に座ったワタシは自分から質問しないことにし、杜氏から語り始めるのを待ちました。


杜氏の鷲澤捨男さんは小谷杜氏.

長野県の北部、小谷村で夏は米を作っています。

小谷村にはその昔、数百人の杜氏や蔵人がいたそう。
でも、今では数人しかいないそうです。
スキー場が出来て、農閑期の仕事が出来たので酒造りをヤメてしまったらしいです。

鷲沢さんは今まだ現役の、その数少ない小谷杜氏の1人です。




Oginoya0022

乾杯からしばらくたった頃、

「オレの造った酒はどんなに飲んでも頭が痛くなったりしない」と杜氏が言いました。


添加物についてだなと思ったワタシは恐る恐るアル添について聞いてみました。


ワタシ 「やはり添加物が原因ですか? アルコール足したり普通しますよね?」

杜氏  「あんな風にアルコールを足した酒を飲んじゃダメだ」

ワタシ 「米アルはどーですか?」

杜氏  「醸アル、米アル、あんなのはみんな偽物だ」

ワタシ 「酒造り用の調味料はどーですか?」

杜氏  「コハク酸、乳酸、調味料、香料。そんな酒が美味しいワケがない」



杜氏  「オレの造った酒はホントに美味しいと思う。いくらでも飲み続けられる」

この日の酒は『木曽路特別純米酒のしぼりたて中汲み』と『その酒を濾過する前の生にごり』何も足していない米と水だけで造った酒です。

清らかな甘さがスーっとカラダにしみていくような酒です。
水と米の爽やかさがたまりません。


杜氏 「オレはこの酒しか飲まない。他の酒が美味しいと思えないんだ」


なかなか聞き辛いことを自ら語ってくれる杜氏。



Oginoya0021

杜氏 「ところでチーズと酒は良く合うなぁ。おいしい!!」

この年代の人にしては珍しくチーズに抵抗がない。ってかホントに良く合ったからだと思いますけど。





現在の酒造りで多いのは.....

1 すっきりさせたいのでアルコールを添加する。

2 アルコールを添加した為旨味と香りが薄くなる。

3 旨味を足す為調味料と香料を入れる。


概ねこんなループですよね。

これってホントは酒だけじゃあないですよね。

若い人が好きな豚骨ラーメンのスープも同じループです。
すっきりさせたいので薄める---豚臭さが薄れ食べやすくなる---旨味が無くなるから調味料を塩と同量添加する。こんな感じです。


鑑評会の審査員もやったことがある杜氏は評価方法についても語ってくれました。

ただ、これはちょっとエグいので割愛しますが。


正しいものが評価されない世の中はヘンですよね。

ただ現実問題として酒を飲む人の70%は少しでも安く飲みたい人。
その人たちに買ってもらうためにはアル添で酒を造らないと受け入れてもらえない。

純米の蔵と看板を上げるには資金力と勇気が必要と尚子さんのblogには書いてありました。






鷲澤杜氏を囲んで語ったのは『おぎのや』という蕎麦屋。湯川酒造の斜迎えです。

ワタシが感銘を受けた広島の『達磨 翁 雪花山房』の高橋氏のお弟子さんです。

(参照:2006/12/15 翁 達磨 雪花山房 高橋邦弘氏の蕎麦 広島)


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高橋氏譲りの蕎麦はキレイに角が立った蕎麦でとても美味しいものでした。つゆも現代的な甘みの控えめなドライな感覚。

ただ、高橋氏の蕎麦より素直で素朴な気がします。



更にこの地の水で打った蕎麦とこの地の水で醸した酒はとても良く合いましたよ。


Oginoya0019

普通なら1合づつ違う酒を頼むことが多いワタシです。

でもこの酒は飲めば飲むほど稲の香りが重なってスゴク飲み飽きない美味しい酒。
正直、ここまで飲み続けて美味しいと思った酒は初めてだと思います。



この酒は胸を張ってお薦めできるしみじみ旨い酒です。



酒造りを初めてから50年以上、お正月を家族と過ごしたことがなかった鷲澤杜氏。

今年初めて尚子さんに酒を任せて家族と過ごせたとちょっと嬉しそうでした。


尚子さんに聞いたら「親父さま、けっこううるさいんですよぉ」って。



良い先輩がいて、良い後輩が育って。


また、機会があったら鷲澤杜氏の話しを聞いてみたいと思います。

できたら杜氏に酒造りを教えた名杜氏、松沢 玖二という人について聞いてみたい。



素直で素朴で、ちょっと地味だけどしみじみ旨い酒。


ずーっと湯川酒造を見守りたいと思います。

尚子親衛隊とか作っちゃおうか?
もぉ、そんな勢いですよ。ホントに。


もしも、この藪原に行くなら4月4日が良いキッカケかもしれません。

おぎのやさんに師匠の高橋氏が来るんです。

木曽路も、蕎麦も、どっちも楽しめるかも!?



湯川酒造      http://www.sake-kisoji.com/

蔵人尚子の奮闘記  http://kisoji.10.dtiblog.com/

おぎのや      http://www.kiso-oginoya.jp/

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コメント

お疲れ様でした
杜氏さん独占で良いなー

尚子親衛隊はいるんですよ
東京から足しげく通ってくる人らしいです

私もファンクラブの一人ですけど・・・

4月に行きたいですねー
でも金曜じゃ無理だなー(泣)

投稿: gelee | 2008/01/23 13:55

ファンクラブあるんだ。知りませんでした。
しかも、geleeさん入ってるんだ。(笑)

また、行きましょう。

今度は仕込み水を頂きたい。
甑を見たせいか米焚いてみたくなりました。

投稿: bleu et rouge | 2008/01/23 15:42

先日はありがとうございました~!!!

インフルエンザはもう全快しましたか???
しかも、インフルエンザ明けで木曽路を飲んでいただけたなんて、
この上なく幸せです♪♪
ありがとうございますっm(__)m

吟醸とかあったりで、
皆さんのblogあんまり拝見していませんでした(^_^;)

なんだか、すっごく嬉しい記事ですね☆彡
ますます頑張らなくちゃと気張ってしまいます!!!

杜氏も、本当に喜んでいたんですよね。
あんまり同席することのない感じの会だったので、
最初は結構戸惑ってもいたみたいですが、
お酒を飲んでこうして話をすることが大好きなんです。

同じ内容でも私が話すのとは桁違いに
説得力と真実味がありますもんね。
経験って凄いものだな~といつも感激します。

投稿: naoko@kisoji | 2008/02/04 11:12

naokoさん、コメントどーも。

昨夜、経堂すずらん通り季織亭で開催されたジュレブランシュ関東ファンの集いで木曽路を酌み交わしました。
湯川さんに行けなかった皆さんにも大好評でしたよ。
季織亭の他のお客さんにも飲んでもらおうと思っています。

投稿: bleu et rouge | 2008/02/04 13:16

こんにちは、ブログにご訪問いただきありがとうございました。

いいですねぇ、僕、鷲澤杜氏にはお会いしたことないんですよぉ。。。
4月4日かぁ・・・金曜日じゃ僕も行けない(涙)
造りが終わる前、3月23日になんとか行けないかと水面下で画策中(笑)

これからもよろしくお願いします。

投稿: take9243 | 2008/03/07 16:35

takeさん、どもデス。
takeさんのblog、楽しみにしておりました。
造り6日がとっても羨ましいです。
荒とよにも興味津々。いずれ行ってみたいと思っています。

投稿: bleu et rouge | 2008/03/07 18:59

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