Drop Dead Chaos H・アール・カオス公演
コンテンポラリーダンスって知っていますか?
そー書き始めたけどワタシもモチロン解りません。
思うに、クラシックなバレエダンスを抽象的にしたもの...そんな感じかな?
以前は現代舞踏とよばれたりすることが多かった気がします。
実はワタシ、90年頃から舞踏コンクールなどでコンテンポラリーダンスを見ているんです。
いや、見ていたが正しいですね。
現在はほとんど見ていないんですもん。
でも1つのダンスカンパニーだけはもう10数年見続けています。
それが H・アール・カオス(H.ART CHAOS)。
振付家(コレオグラファー)で演出家の大島早紀子さんとダンサーの白河直子さんが核になってるユニットです。
いつの間にか少しづつメンバーが増えて、今はたぶん女性ばかり7人だと思います。
ダンスはたいてい平面の床でパフォーマンスします。
でも H・アール・カオス は立体的。
空間を使った三次元のパフォーマンスに特徴があります。
ワイヤーを使いダンサーが宙づりになったりするんです。
今回の『Drop Dead Chaos』ではアルミパイプの中にワイヤーを通し、そのパイプが天井から床に、右からも左からも斜めに貫かれています。
パイプが交差して×になっているところにダンサーがまるで串刺しにされたように逆さに吊られていました。
前方の舞台では今回の客演 新上裕也さんと 群青さん が 白河直子さんとパフォーマンスしています。
群青さん以外の出演者は性別が曖昧です。
女性でも男性でもないもう1つの性になっています。
ダンスしながら絡み合う性別のない人と人。
でもカラダは絡んでいるのになんとも言いようがない距離感。
けっして縮まることはありません。
距離を縮めようと動き始める時、おなかを串刺しにされ宙に吊るされた3人の性別が曖昧なヒトがグルグルと回りはじめます。
見ていて心がザワザワと....。
言いようがない不安感におそわれます。
抽象的に『今』を表現しているんだと思うんですけど、抽象的にすれば抽象的にするほど『リアル』が溢れます。
今回、出色なのは 群青 さん。
ストリート系のダンサーです。
瞬間にほとばしるブレイキングには凛とした美しさがあります。
たぶん基礎がしっかりしているのでしょう。
プロフェッショナルとして進化したんだと思います。
彼の一瞬の動きがホールの空気を動かします。
これまでの H・アール・カオス の作品は『束縛』とそれからの『解放』が描かれていることが多かったような気がします。(捉え方が間違ってたらゴメンナサイ。)
作品のエンディングに、それも音がなにもない静寂の中で白河さんが一糸まとわぬ姿でパフォーマンスする圧巻のシーン。呪縛から解放される瞬間。それが今回の作品にはありません。
エンディングで元の場面に戻ってしまいまうんです。
何も変わらない事実。
受け入れなくてはならない現実。
でも、心のザワザワ感は確かなものです。
同じ状況だけど何かは確かに起きていた。
何も変わっていないけど、何かは変わった。
舞台が終わってから自分の心との折り合いがつかず、なかなか立ち上がれませんでした。
さて、H・アール・カオス の次回公演は2008年2月らしいです。
待ち遠しいなぁ。
今回の公演が終わったばかりなのにもう期待で大変です。
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